森林の公益機能の評価



森林の公益的機能について

森林は、木材生産という物質供給機能を持つとともに、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保護等多面にわたる公益的な機能を発揮している。
このような公益的な機能を数値的に把握し、あるいはさらに金銭的に評価することはなかなか困難なことであるが、林野庁では既に昭和47年に代替法により試算した結果、年間の森林の公益機能の評価額は約12兆8,200億円と算出した。
その後、平成3年時点での貨幣価値に換算が行われ、その結果は年間約39兆2、000億円と公表された(平成4年度林業白書)。
最近、この数値がどのような手法で算出されたのかという質問を受ける機会が増えているので、林野庁資料により、掲載する。

機能の種類評価額(億円)備 考
水資源かん養機能  42,600森林土壌こよる地下水貯留量
土砂流出防止機能  79,800森林により抑止されている流出土砂量
土砂崩壊防止機能   1,800森林により抑止されている崩壊土砂量
保健休養機能   76,700森林レクリエーション投下額
野生鳥獣保護機能   6,900鳥類による森林被害の軽減額
酸素供給・大気浄化機能 184,200森林による酸素供給量
合  計392,000億円


算出根拠

水資源かん養
 森林土壌の粗孔隙率を基礎にした降水貯留能力等から、森林による地下水貯留量(2,300億m3)を推定し、これをダムによって代替させた場合の山元水生産価格(18.5円/m3)から算定

土砂流出防止
 表面浸食土砂量から、森林によって抑止されている流出土砂量(57m3)を推計し、これを砂防堰堤によって代替させた場合の堰堤建設費(1,400円/m3)から算定
       
土砂崩壊防止
 崩壊面積から、森林によって減少される崩壊土砂量(1.3億m3)を推計し、これを砂防堰堤によって代替させた場合の堰堤建設費(同上)から算定

保健休養
 森林レクリエーションのために消費された交通費、宿泊費等の費用を観光レクリエーション総消費額(112,800億円)から算定

野生鳥獣保護
 森林の鳥類生息数(8,100万羽)から鳥類の害虫摂取量を推計し、これによる森林被害の軽減を虫害防除経費及び食害による材質低下損失額のそれぞれの軽減額から算定

酸素供給・大気浄化
 森林が放出する酸素量(7,265万t)を工業用酸素の市販価格(355円/kg × l/1.4(封入比重)=254円/kg)から算定



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