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木を通じてのふれあいの中で

木彫家  川原和夫
本当に根っからの木が好きな人でした、我々木彫を本業として、毎日木に接している者よりより以上と言うより深く木を愛し、その知識も奥深いものが有りました。

数度木彫の町井波町へお越しいただいた時など木の話になると、それこそ止どまる所を知らずに話合った事が今もまだ目に浮びます。

こんな種類の木を彫ってみたらとか、こんな木を発見したから使ってみないかとか、この木はこのような彫り物に合うんではないかとか、色々と教えてもらったりした事が今はただなつかしい思い出となりました。

近年木材工場団地で木彫りに付いての講演をたのまれた時、迎えてくだされた車内に自動車電話や多数の手紙や書類を色わけ整理して有り、ああ大変な多忙の日々を過していられる事を、かい間見て木材業界だけで無い多方面での大切な中川さんの位置付を知り又その時かすかな躰の心配を感じましたが、こんなに早く雲のかなたに行かれるとは誠に残念でなりません。

大阪はと言うより日本は木を愛し本当に木を知る大切な人を失いました。

私にとっても木彫の指導者と思い又良き理解者で有った中川さんに生前もっと良い仕事を見てもらいたいと思いつつ年を重ねつづけ、ただ年月のみ平凡に過したように想われ残念でなりません。

多分あの世の中でも目にしみる木々の樹界の間、桧や杉やもろもろの木々の室内で白塩の香りただよう内を、あの楽しそうな笑顔で回りの人達と楽しく話合う姿が、目に浮びます。

心やさしい中川さんのご冥福を心より祈ると共に中川さんが愛し育てられた、ご家族と会社がいつまでも発展しつづけ日本中に木のぬくもりをいつまでも伝えられん事を希望致します。