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幻の木材流通センター

株式会社日本フォレスト取締役社長 西村直彬

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中川さんの訃報に接し、ただ唖然とするばかりでした。

これからも、各方面でのご活躍を期待しておりましたのに。

中川さんとお付き会い頂くようになったのは、三十数年前、私が大阪府の木材担当係となった時からでした。

中川さんは、すでに木材業界のリーダーの一人として、若手の育成に情熱を注いでおられました。

たしか、昭和四十四年の事です。

府が東大阪流通業務団地に引き続き、摂津市と茨木市にまたがる約七十ヘクタールの土地に、北大阪流通業務団地を計画し、木材関係もこの団地に参加すべく、検討した事があります。

府木連と相談し、中川さんを中心に検討を進める事になりました。

早速、中川さんの肝いりで、流通の竹内桃山学院大学教授、都市計画の水谷大阪大学講師を口説かれて相談役とし、業界の各界から構成されている府木材青年経営者協議会のメンバーを中心とした新進気鋭の海堀兄、成瀬兄、大岡、北島、杉田、多田、河田、小川の諸氏を招集され、事務局には、府の福永氏を担当とし、木材流通問題検討委員会が発足しました。

委員会は、毎月開催し、決められたテーマについて、各委員が報告し、討議し、まとめを行い、次回のテーマーを決め、その間に、先進事例の視察を行うなど、精力的に進められました。

勿論、中川さんは座長の労をとられ、テキパキと目標に向って進行され、約一年間、活気にみちた委員会でありました。

この委員会報告をもとに、翌年度、日建設計に依頼し、木材の高次加工品を主とした木材流通センターの基本構想までこぎつけました。

国土軸に沿った北大阪流通業務団地に、提案どおりの木材流通センターが出来ていれば、大阪の木材流通の拠点も、少しは変ったものになっていたと思われますが、私どもの力不足と、時期尚早のほか諸々の理由で実現できなかったのは残念でしたが、今はなつかしい思い出として残っております。

これを、ご縁に、中川さんには、木材関係だけでなく、府の林業構造改善推進協議会、林業経営協議会などの委員をお願し、広い視野からの建設的なご意見を多々いただき、また、大青協と府森林組合連合会青年部協議会との交流の実現にご尽力いただいたところです。

以後、公私にご昵懇にしていただき、お教えを乞う事ばかりでしたが、ご商売の源である樹木について書かれた「木偏百樹」の上梓に幾らかでもお手伝いができたことが、唯一の喜びです。