v2.1

平井信二先生の樹木、木材研究

タカサゴノキ属の樹木(その6)
48.Homalium acutissimun GILG
 Homalium acutissimun GILG はニューギニア北部に稀に生ずる低木または高木である。
 葉は長楕円状皮針形などで長さ6~11cm、幅2~4cm、長い尾状鋭尖頭、基部は楔形ないし円形を示す。硬い紙質で、疎らな不明瞭な鈍鋸歯をもち、側脉は約10対あり、両面に顕著で、密な網脉をもち、両面ともほぼ無毛である。葉柄の長さ3~4㎜である。
 長さ10~20cmの穂状様の総状花序を出し、花序軸に軟毛を密布する。小花柄はあっても長さ0.5㎜までできわめて短い。長さ1.5㎜の膜質の苞葉をつける。花は6数性で、径は3~4mmである。がく筒部は倒円錐形で短く、がく裂片は線形で長さ約1.5㎜、花 弁も線形で長さ約2㎜あり、ともにやや開出した長毛を密布する。雄ずいは各花弁の前に1個ずつがつく。  
49.Homalium acuminatum CHEESEMAN
 Homalium acuminatum CHEESEMANはクック諸島に固有で、島の斜面にこれが優先する森林を作る。  
50. Homalium africanum BENTHAM
 Homalium africanum BENTHAM(異名 Homalium molle STAPF,Homarium sarcopetalum PIERRE) はアフリカ熱帯のギニアからザイール、モザンビーク、アンゴラにわたって分布し、沼沢地に生ずる。ナイジェリアで ekalado eze,kimido という。
 変化が多い高木である。托葉は葉状で腎臓形を呈し、しばしば残存性である。花弁は果実に宿存して長さ5㎜に至る。  
51. Homalium letestui PELLEGRIN.
  Homalium letestui PELLEGRIN.はギニアからガボンに至るアフリカ熱帯地域の森林に生じ、ナイジェリアで roko bachi,otu ako,dabo ako,akporo,akpurukwu という。
 ふつう高さ8~16mの高木であるが、高さ20m、直径70cmまでのものがある。樹幹は通直で枝下は長い。ときに僅かに板根が出る。枝の分岐が少なく通常層階状になる。枝はやや短く水平からやや垂下し、葉は小枝の長さの大部分に沿って規則的に2別 になって配列する。樹皮はかなり平滑で、ときにパッチになって剥落する。葉の形と大きさに変化が多いが、通常広楕円形でときに長く、長さ12~30cm、幅6~12cm、急鋭尖頭または鈍頭、基部は楔形から広い心形に至る。著しい革質で、疎らな浅い鋸歯 があり、側脉は8~10対、著しい紅色毛をもつ。葉柄は長さ約6㎜で太い。
 穂状様の総状花序が多数複成して長さ45cmまでの円錐花序になり頂生する。花は総状花序軸に沿って間隔をおいて1個ときに2個ずつが多数つく。花は5数性で、がく裂片は短い。花弁は倒皮針形で、果時には長さ12㎜までに増大する。始め緑白色である が果時の増大したものはワインレッドとなって顕著である。最後には黄白色となる。雄ずいは各花弁の前に1個ずつがつく。さく(蒴)果は樹上に長く残存し、最後に宿存してついているがく裂片、花弁とともに脱落する。材は黄白色を呈し、きわめて硬 く重い。  
52.Homalium longistylum MASTERS
 Homalium longistylum MASTERS(異名 Homalium macropterum GLIG,Homalium aylmeri HUTCHINSON et DALZIEL)はギニアからケニア、アンゴラ、モザンビークに至るアフリカ熱帯・亜熱帯地域の森林に生ずる。ナイジェリアで akoledo,gogo,kalado という。
 高さ27m、直径40cmまでになる高木で、樹幹は通直、ときに僅かに板根が出る。樹皮は灰褐色を呈し、しばしばコルク質の鱗片状となり粗である。枝は輪生状に出て多少水平に伸びる。若枝に微細毛がある。葉は広楕円形で長さ7~20cm、幅5~10c m、短い急鋭尖頭、基部は楔形を示す。革質で、鋸歯があるかまたは波状縁を呈し、側脉は6~10対あり、下面の中肋と側脉上に微細毛があるか、またほとんど無毛である。葉柄の長さは6~18㎜で太い。
 狭い穂状様の総状花序は長さ30cmまでで、花は軸に沿って間隔をおいて束出し、短い小花柄をもつ。花は5数性で、緑白色を呈する。雄ずいは各花弁の前に1個ずつがつく。さく(蒴)果は径が約12㎜、宿存する花弁はやや広い倒皮針形で長さ約6㎜にな る。材はきわめて硬い。  
53. Homalium viridiflorum EXCELL
 Homalium viridiflorum EXCELL はナイジェリア東南部からカメルーン、アンゴラに至る間に生じ、稀産する高木である。葉の下面に微小な腺状鱗片を布く。花は小さく緑色を呈する。花弁は果実で、長さ5~12㎜に増大して宿存する。  
54.Homalium dalzielii HUTCHINSON
 Homalium dalzielii HUTCHINSON はナイジェリアとダホメの一部にのみ生ずる。Homalium africanum BENTHAM に似るが、線形の托葉が対になってつく点が異なる。葉下面全体に短毛を布き、花弁は果時に長さ5~12mmとなる。  
55.Homalium abdessammadii ASCHERSON et SCHWEINFURTH
  Homalium abdessammadii ASCHERSON et SCHWEINFURTH (異名 Homalium wildemanianum GLIG)はアフリカ東部のケニア、からモザンピーク、ローデシア、ボツワナにわたって分布し水辺に生ずる。英名を northern homalium という。
 高さ5~10mの小~中高木である。樹皮は褐色を呈する。若枝に著しい皮目が現れ、有毛である。葉は広卵形などで長さ5~10cm、幅3.5~6cm、円頭または急鋭尖頭でときに凹入があり、基部は鈍形から切形を示す。革質で、縁に疎らな波状の鈍鋸歯があ り、上面はほぼ無毛で光沢をもち、下面は脉上に白色の細軟毛を布く。葉柄の長さは15㎜までで、しばしば淡紅色、紅色または紫色に染まる。
 穂状様の総状花序が複成した長さ12cmまでの円錐花序を頂生または腋生し、径約10㎜の緑白色の花をつける。がく裂片と花弁はともに6個で、長楕円形である。雄ずいの葯は著しい紅色を呈する。子房は緑色で軟毛があり、その基部に白色の花盤腺体が6 個つく。さく(蒴)果は円錐形で径は約5㎜、革質で先端に残存した花柱をつける。基部は宿存したがく裂片と花弁の上に載り、花弁はときに長さ13㎜までに増大している。果実は先端付近で2~5弁に裂開する。  
56.Homalium chasei WILD
 Homalium chasei WILD はローデシア東端に稀産し、英名は Umtali homalium という。
 高さ8mまでの小高木で、樹皮は淡灰色を呈し、平滑である。若枝に黄色の短軟毛を密布する。葉は卵形、広卵形からほとんど円形のものがあり、長さ4~7cm、幅2.5~4.2cm、円頭で先端が凹入する。基部は円形から切形を示しときに左右不同である 。上部2/3の葉縁に浅い帆立貝殻状の牙歯があり、下方は全縁である。下面に脉理が明瞭で、両面に黄色の短軟毛を布く、葉柄の長さは10㎜などで密生毛をもつ。
 長さ約5cmの密な総状花序を腋生し、径5~7㎜で緑色の花をつける。さく(蒴)果は円錐形で基部の径は約6㎜、木質で、先端に鋭く突出した残存花柱をつけ、基部のまわりに宿存したがく裂片と花弁をもつ。  
57.Homalium dentatum WARBURG
 Homalium dentatum WARBURG はモザンビーク西部、ローデシア、南アフリカ東部に産し、英名を common homalium,南アフリカで bosbaster morbei という。
 高さ10~20mの高木で、樹幹はしばしば通直、枝はほとんど水平にでて先は垂下する。樹皮は灰色を呈し、ほぼ平滑である。若枝には多数の著しい皮目がある。葉は広卵形、倒卵形からほとんど円形に近いものがあり、長さ4~13cm、幅3~8cm、急鋭尖頭 、 基部は円形ないし切形を示す。質は薄く、縁に鋸歯ないし帆立貝殻状の牙歯があり、両面とも光沢がある。葉柄の長さが25㎜までである。
 枝端近くに長さ10cmほどの円錐花序を腋生し、多数の花をやや疎らにつける。小花柄には灰色の短軟毛を布く。花は径約5㎜で、鈍い黄緑色からクリーム緑色を呈し、不快な匂いをもつ。さく(蒴)果は円錐形で約3mm、子房からその大きさはほとんど増 大していない。短軟毛を密布する。がく裂片と花弁が宿存しており、花枝のような外観を与える。
 材は黄白色で褐色の条があり、硬く、研磨で良い仕上げ面が得られる。  
58.Homalium rufescens BENTHAM
 Homalium rufescens BENTHAM は南アフリカの沿海地域に産し、英名をriver bastard mulberry 南アフリカで riverbastermoerbei という。
 枝の多い低木または高さ7mまでの小高木で、樹皮は灰色から褐色を呈する。葉は楕円形などで長さ2~7cm、幅1.3~4cm、円頭、基部は楔形を示す。薄い革質で、不規則で不明瞭な鋸歯があり、基部近くで全縁となる。無毛で上面は光沢がある。葉 柄は長さ4㎜までで紅色に染まる。
 枝端近くに穂状様の総状花序を腋生し、長さ約3.5cmで、疎らに花をつける。花は径約5㎜で、白色を呈し甘い匂いをもつ。さく(蒴)果は小さく、基部のまわりに宿存した紅色のがく裂片と花弁をつける。材は硬く緻密であるが、樹が小さいので有用で ない。  
59.Homalium racemosum JACQUIN
 Homalium racemosum JACQUIN は西インド諸島、南米熱帯の水辺などに生ずる。高さ10mほどの高木である。花は径が12㎜で白色を呈し、がくと花弁に灰色の軟毛を生ずる。花弁は7個あり、雄ずいは各花弁の前に2個ずつがその基部につく。花盤腺体の裂片は花弁に互生するが、それ らの間にも雄ずい1個ずつが挿入されてつく。  
平井先生の樹木木材紹介TOPに戻る