v2.1

神谷のインドネシア点描

『さもありなん』

日経に添付のごとき記事が載っておりました。
EU諸国や中東の一部国がインドネシア航空会社の乗り入れを 禁止したと。
インドネシア写真 インドネシアでは『報復としてEU機の乗り入れ禁止をせよ』、という 観光立国らしからぬ感情論や、 『メッカ巡礼のチャーター便は飛ばせるのか?』、という切実な悲鳴が 聞こえます。
自由化後に行われたインドネシア航空業界の熾烈な安売り競争に 辟易していた小職としては『さもありなん』、という気持ちです。
今のインドネシア航空業界は自由化といえるものではありません。
『やりたい放題』と表現すべきレベルです。
過激な値下げ競争は例えばジャカルタースラバヤ間(日本でしたら 東京ー大阪間のようなドル箱路線)で繰り広げられた事例を例に取りますと, 当初片道60万ルピア以上だったチケット代が20万ルピアを切るレベルまで 下がってしまったのです。
 正規料金の1/3です。
如何なる理由があろうとも正規料金の半値以下で飛ばせるということは かつての正規料金が高すぎたのか、それとも現料金が安過ぎるのか、 ・・・いずれまともな話ではありません。
熾烈な過当競争を勝ち抜く為には機体を苛めてでも運行回数を増やし、 搭乗率を増やし、無茶苦茶な料金設定をしなければなりません。
この為に昔は食事が出ていた路線でも今では水だけです。
サービスが犠牲となることは厭いませんが整備が疎かになったのでは 怖くて乗れません。
とは言うものの多島国家インドネシアでは他に移動手段がないのです。
インドネシア写真 墜落事故やオーバーランの頻発は明らかに整備不良です。
パイロットが異常を感じ再整備を要請したのにも拘らず無理やり 上司命令で飛ばせた挙句、墜落した航空会社がありました。
乗客の命より運行効率重視なのです。
搭乗案内が掛かり皆が乗ったのにも拘らず一向に出発せず、 蒸し風呂状態の機内に長く閉じ込められた挙句、 『当機は故障ですので降りてください』。
・・・よくある事です。
怒るより、『離陸してからでなくて良かった!』と嬉しくなります。
酷使されている機体を見るにつけ 『これは整備不良ではなく整備そのものをしていないのでは』、 と不安になります。
安い中古機を買ってきてこれを酷使すれば堕ちて当たり前です。
ジャカルタ空港には堕ちる前に廃棄となった飛行機が沢山 野晒しにされてます。
かつてカリマンタンを飛ぶ廻っていた尾翼にBマークのある老兵も ここで永の眠りについております。
ここを見るたびに、『よくぞ墜落前に廃機処分してくれた』、と 有り難い気分にさせられます。
安ければ良いというものではありません。
命が懸かっている仕事は、『してよい事と、してはいけない事』が あると思います。
豚肉を牛肉と偽ってミンチを作っても死ぬことはありません。
しかし・・・、 整備をしないで飛行機を飛ばせていれば、いつかは堕ちるのです。
いつ自分が堕ちてゆく飛行機に乗り合わてしまうのか?、 三日あけずに飛行機を利用している小職としてはこれも運なのです。
その日が来たら堕ちて行く機内で酸素マスクを吸いながら 『APA BOLEH BUAT(仕方ない)』と言って諦められるものでしょうか・・・ 大切な自分の命を、アホな航空会社の利益追求の生贄として 提供している我が不運を恨みます。
インドネシア写真 今、飛行機に乗りました。
関の前ポケットに不思議なパンフレットが差し入れてあります。
思わず広げて驚きました。
『お祈りをしましょう』、パンフです。
キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンズー教、みんな仲良くお祈りの言葉が 載っております。
『無事、仕向け地へ着きますよう神に、仏に、アラーに祈りましょう。
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