木材を自然界には存在しない形に「交」わらせて作ったものと言う意味の会意文字である。木材を単に縦や横にするだけでなく、組み合わせ利用する最初の形態の字である。  正倉院で有名な「校倉」を英語で表すとLog Houseである。原生林を伐り拓いて可住地を拡げていく過程で、大量に発生する伐木を活用する住居として、ログハウスが造られたのは理に適っている。「大草原の小さな家」や「アンクル・トムズ・ケビン」に登場するように、 開拓期の米国ではログハウスが当たり前であった。丸太をそのまま使う方法から、断面を太鼓型へ、そして角型へと技術が進んだ。さらに資源乱費型から省資源型への転換のために 開発されたのがツーバイフォー構法であり、その歴史は百年程度である。この構法開発にあたっては同時に材料規格の統一を行ったので、生産性が高く、産業優先の米国で急速に浸透し、大統領が日本に売り込み交渉にくるほどになった。しかし、住宅単位面積あたりの木材消費量は、依然として他の構法よりも大きい。
 日本では早くから各種建築材料の生産と 消費とのバランスのとれた軸組構法が一般化し、ログハウスは山小屋だった。三十年ほど前に米国などからログハウスの普及を要請された際も、リゾート地向け別荘が主流であった。しかし、バブル経済崩壊でリゾート需要が激減してみると、欧米のように一般住宅地でもログハウスが認められるべきだとなった。木造住宅向けの焼夷弾でひどいめに遭った(板・版参照)わが国は、木材の使用比率の高い建築への規制が説得力をもち、ようやく平成10年7月にログハウスの外壁は土塗り壁と同等以上の防火性能があると建設大臣が認め、以来ログハウスは毎年リゾートブームの時以上の建設が見られるようになった。  「校」が最初に意味したのは、虜囚を拘束する「かせ」である。同じ訓みの字として、首に嵌めるのが「枷」、足首用には桎、手首用には梏ときめ細かく分けられている。この三つは木材を平行に使うのに対し、交差させて使うもの、キリストが処刑された十字架や「×」型のはりつけ用が校である。これらを総括して人を「戒」める道具が械である。争ってやっつけた人間の自由をどう奪うかに高い関心があったことを示している。
 学校に木造建築のイメージを持っている人は多いが、このときの「校」は検「校」、将「校」などの「(虜囚・兵卒を)調べ上げる」と同じ意味で、学校は「学び調べる(ところ)」と言っているに過ぎない。出版用語の初「校」や「校」正も同義である。