細い材を直交させて組んだのが格子である。格天井も同様で、一定の規格で切り込みを入れて組んで造ったものに格が使われている。元来は「どこからでも見える高い木」を指し、多くの人が仰ぎ見て目標とする人格者に使われているうちに、「木の最も高い部分」を指す「標(こずえ)」と同様に模範や標準を表すようになり、「規格」という熟語になった。  木材流通が国際化してくるに伴って、規格は大きな課題になりつつある。ISOは、最近でこそ9000シリーズや14000シリーズが話題になっているが、本来は生産材の規格がテーマである。木材は、国によって生産条件である 自然条件の差異が大きいうえに、利用に歴史や文化が反映していて、試験方法の前提となる性能評価の目的で各国の意見が分かれる。木材の規格を扱うことになっていたTC55は、発足が古い割には成案を見ることなく解散してしまい、集成材などを扱うTC218などの後発の組織が余裕があれば 扱うことになっている。  木造住宅の分野でCADが驚くほど浸透しているのは、畳モデュールのおかげである。我が国の木造住宅の規格は、畳の寸法からくる六尺をモデュールとして発展してきた。江戸初期に既に製材の寸法は長さ十三尺(六尺×2+しろ)が標準になっていて、現在でもJAS(日本農林規格)で定めてなくても特注がなければ4メートルというのは守られている。しかし、最近は三尺の廊下から出入りするドアのところに設けられた框(かまち)と戸当たりが車椅子を妨げるとしてメーターモデュール化が唱えられている。引き戸にすれば三尺でも構わないのだが、ドアメーカーの抵抗やドアのほうが 掃除しやすいなどの理由でモデュール変更の途を採ろうとしている。  「規格」は英語でstandardである。日本の財産権制限法の代表である建築基準法をBuilding Standards Lawと翻訳したばかりに、「standardは技術や市場の変化に対応すべきもの」との前提に立つ海外の主張に翻弄されて、最近この法律は商取引の領域まで対象にしてますます難しい法律になっている。