部首は「竹」である。しかし、「チク」が先にあった形声文字であるとの説明を読むと、部首は「木」が本当ではないかと思われる。古代中国で杵で土を撞き固めるトントンという音を「チクチク」と表現したものと言われる。訓読みの「きづく」も「杵(き)で撞く」から転化しており、築は土工事の段階の字である。
 土工事を業とする人にとって一戸建て住宅の地盤や基礎の工事は、小さすぎてメリットが少ないうえに完成すると見えなくなるので、ここで手抜き工事が行われることが多い。欠陥住宅騒ぎの半ば以上が地盤を含む基礎工事関連である。出資した会社が分譲した木造住宅の欠陥が社会問題化した 秋田県は、修復費用を補償するとした。対象の住宅は、谷あいの泥深い蓮沼に1メートル足らずの砂を入れただけの土地での「砂上の楼閣」である。土台から上に生ずる不具合は、直しても直しても再発することが明白であり、「金をドブに捨てる」典型である。
 「建物」には築が無く、危ないので「建築物」にしたというのは駄洒落だが、日本建築学会が発足当初は「日本造家学会」と言っていたように、建築の関係者は土台から上の造家のほうに目が向いていて、大切な基礎や地盤にかかる土工事の業界をコントロールできていない。「住宅の品質の確保の促進等に関する法律」という 法律が定められ、これによって地盤調査をして構造の安定度合いを示すことになっているのだが、これからも偽の地盤調査報告書付きの土地をつかまされる個人はもとより 建築専門会社もあるのではないかと心配である。