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「呼吸する家づくり」をテーマに

"住空間ネットワーク4D"は、「呼吸する家づくり」をテーマに同一コン セプトをもつ設計家・工務店が中心となって、1991年に誕生した。
現在はコンセプトに合った素材を提供してくれるさまざまなメーカーと協力 関係を結ぶとともに、それらを直接顧客(施主)に紹介できるショップも経 営している。
ショップは昨年十月に開店したばかりだが、「出足は非常に好 調、来店者は日毎に増えている」(栗原氏)。
ショップでは自然素材を条件 にした建材、住宅設備、内装材料、塗料、接着剤等を紹介・販売するだけで なく、こういった素材をどう暮しの中で扱っていくか、暮らし方全般への提 案といった広範囲な情報を含めて、家づくりに関心のある人々に提供してい る。
"住空間ネットワーク4D"の核として活動している栗原守氏(㈲光設計) によれば、呼吸する家とは次のようなものだ。
①今問題になっている、有害な揮発性化学物質による室内汚染の心配が少な い、健康に配慮した住まい。
②自然素材を内装材として使い、住まい全体が自然の状態で呼吸する住まい。
③光・風・雨や雪といった自然現象が暮らしの身近に感じられる住まい。
④設備や機械に頼ることを少なくして、 できるだけ自然のエネルギーを有効 に利用し、昔の暮らしや住まいの智恵を参考にしながら、自然と共生する住 まい。
⑤土に還る材料やリサイクルできる材料をなるべく使い、未来の環境(保全) にやさしい住まい。
⑥住み手にとっては多少の手入れが必要で(ほんの少し煩わしい住まいかも しれないが)、住み手が住みながら育てていく住まい― このような家づく りを目指している。


同氏によれば、このような家づくりに共鳴、もしくは関心を示してくれる一 般の人達(施主)はかなり多いとのことだ。
「問題はそれらの人々に情報が いかないこと」、こういった家を作りたい人に情報が届かないことだ。
「結果それらの人々は、選択肢をもてないまま、営業力のあるメーカーの家 を選ぶことになってしまう」、早急に改善・着手しなければいけない問題点 だ。
同ネットワークでは、その対応策として、まず「呼吸する家通信」を発 刊している。
家づくりに関心のある一般の人に、できるだけ具体的な情報を 発信しようと始めたものだ。
次に家を作るとき、仮囲いに「呼吸する家― 自然素材の家づくり」とペイ ントする。
地域・近所の人に関心をもってもらうためだ。
家づくりは時間が必要で、そ の間人目に触れる機会は多い。
「まして近所(知っている人)の建てる家で は、直接家主から話を聞くケースがかなり多い」、知っている人(家主)の 話は、何よりも説得力がある。
家ができると、家主の協力を得てできた家の見学会を積極的に行っている。
近所の人、一般の人、設計家、工務店関係者― いろいろな人が集り、建物 のコンセプト・素材・その他もろもろを見学・学習する。
先日は、左官の仕上げ作業を見学した。
ある勉強会では、二日間で百六十人 の人が集まった。
こんな時「こういった形での情報発信がいかに大切か」、 実感するという。
昨年、住宅着工数は、不振を極めた。
住宅業界を取り巻く環境は、全体から 見れば非常に厳しいといわざるを得ない。
しかしその中で、きっちりとしたコンセプトをもって家づくりを行っている 会社・関係者は、数こそ少数派であれ、まずまずの結果を出しているといえる。
「何故なら私達の顧客は、経済状況・お金の面からだけで家づくりを考えて いる人達ではない」。
同一コンセプトをもつ顧客(施主=最終ユーザー)に いかにしてめぐり会うか。
今後は情報発信・提供に対する工夫が、さらに必要になってくる。

施工例(1)
床面積十八坪の小さな家・女性の 一人住まいだ。
「一人住まいなので 気持ち良く暮らしたい。
ぜん息が心 配なので素材(健康素材で)を気に して欲しい」という希望に従って建 築した。
三坪の中庭を作り、また高 齢なのでバリアフリーを心懸けた。
中庭やデッキテラスは家と外(自然) をつなげる効果が高く、多くの例で 工夫して採用している。
外壁はわざと低くして、町に向って 開く感じを出した。
通行人が見ても 〝楽しい家〟を感じてもらいたい。
家の中は寝室・玄関・リビングがす べて中庭に面している。
六畳分の中庭はレッドシダーの板貼 りになっていて、気楽に外に出られ る。
中央に山帽子(樹木)を植えて、家 の中に居ても季節感を味わえるよう にした。
昨年十一月に入居したが、「中庭に 降る雪に感動した」(住み手のFA X)とのこと。
自然が身近に感じら れることの素晴らしさを再認識した。
ゲタ箱、食器棚、オーディオの棚、 ベッド等家の作り付け家具は、家具 作りの職人達とネットワークを組ん で作った。
職人達が自分達の会社で パーツを作り、現場で組み込み、組 み建てを行った。
塗料は組み建てが 終了してから、自然塗料を塗った。
現場作業は泊り込み、数日がかりの ものとなった。

構造はベタ基礎工法を採用している。
湿気防止・耐力向上が目的だ。
基礎 パッキンを並べて、土台と基礎(コ ンクリート)がつながらないように している。
基礎パッキン=二㎝の空 間が通気孔になり、床下を乾かせる。
白アリ害の発生にも効果がある。
外壁は、壁の中に結露が発生しない ように、通気工法を採用した。
また 屋根の耐熱材として〝エコルーフ〟 を使用、耐熱・遮音効果を高めた。
エコルーフは古新聞を粉砕・再利用 した材料で、厚みが、十五㎝ある。
フローリングはムク(マツ)の床材 使用、床暖房(温水式)とした。
和室の床下には炭(木炭の粉)を置 き、調湿効果を期待した。
ユニーク なアイデアとしては、雨水を貯める しょうゆだるを通りがかりの人が見 える所に設置した。
溜った雨水は庭 の散水に利用するが、「興味をもっ てくれる人が増えるとうれしい」 (家主)。
すでに数件の問い合わせ があった。
施工例(2)
三十代の両親と子供、三人家族が 住んでいる。
太陽熱を利用した温水 器を、屋根に設置している。
二百五 十リットルの水を貯めることができ、 石油系給湯器を通して台所・おふろ ・洗面所に温水を供給している。
中 二階にアスレティックを行う場所が あり、そこへ上る階段に工夫をこら した。
階段下には、テレビ、オーデ ィオ、その他さまざまなものが収納 できるスペースになっている。
昔よ く見かけた階段下の利用法を用いて みた。
木質素材(はめ板、天井板)は飯能 のスギを使った。
天井の梁は米マツ だ。
ハリ・タルキ(構造材)を外に 出して、デザインの一部とした。
作り付け家具、置き家具ともに、家

にある家具は家具工房に発注して、 家に合うものを選んだ。
注文の際に は施主もいっしょに行って、納得が いくまで検討した。
家具屋さんとつ ながりをもつと、リフォーム・補修 などがし易くなる。
「一生ものの家 具」は、家具屋さんとのタイアップ でもち得るものだ。
お風呂の外に小さな坪庭がある。
露 天風呂の感覚が楽しめ、ストレス解 消にもってこいだ。
内装壁と天井は、 スギの赤味(心材)部分を使った。
水に強く、固い。
このような使い方 だと節も気にならない。
床に木のス ノコをおとし込んで、冬でも足が冷 たくないように工夫した。
この小さ な空間からも、昼と夜、春夏秋冬、 雨・雪・晴れ、さまざまな自然が楽 しめる。
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