美乃里は、八尾市新家町に陶芸教室を中心に作
られた工房。元はのどかな田園地帯だったが、開
発がすすむにつれて地域性が薄れて行くことに寂
しさを覚えた村尾夫妻が、通りに面した細長い土
地を活かしたいと考えたことに始まっている。
村尾さんが建築を要請したのが関西で注目され
ている建築家のひとり竹原義二氏(無有建築工房)。
「リーリルハウス」はそれを応援する形をとった。
村尾氏から託されたのは「文化の発信基地となる
ような建物を」であった。
竹原氏が「話から1年が勝負だった」と語るよ
うに、図面づくりの前に、何にしようかの構想の
練り上げがあった。「何か文化を生むものを」と
いう夢と、施主の本物志向と陶芸の心得があるこ
と、細長い土地を生かすこと、先祖からの土地を
次代に残し、その子供達が想いを入れられる建物、
これが建築のための条件であり、それをどう形に
するかは建築家の真骨頂が問われるところであった。
そこから作り上げられた構想が、「全体計画と
しては、道路よりアプローチされ、手前に陶芸教
室の棟、その先に施主の居住棟という構成。工房
の棟は、形態的には登り窯のように、露出された
| 小屋組の架構が、125度のゆるやかな曲面を持った
屋根を構成している。そして土間には土、屋根には
七寸の大型丸瓦が葺かれており、建築の用途的性格
は、形態や構築されている細部の素材にまで反映さ
れている。その空間は内部に誘われながら、その視
野に流動的な動きを与えることにより、見え隠れ
するヴォリュームが、その奥行きをより深く感じ
させている。人々はこの力強い空間を感じながら、
それぞれの想いを土に込めて行くであろう。陶芸と
いう文化によって施主の夢は今現実のものとなろう
としている。」と竹原氏は記している。 |
リーリルハウスは、5年前に「リーリルハウス友
の会」として大阪市内(現在は奈良市に移転)で発
足し、一級建築士、インテリアのプランナー・デザ
イナー・コーディネーター、弁護士、司法書士、公
認会計士、税理士、不動産鑑定士、ファイナンシャ
ルプランナーなど、住まいづくりに関連する各職種
のプロ50人の頭脳集団をメンバーとして登録してい
る。そして家づくり等を考える一般の人々を会員と
して迎え、家づくりやライフプランのプロデュース
をするトータルな住まいづくりのネットワークであ
る。
そして一方で、会員を中心に3ヶ月に1回のセミナ
ーを開催し、住まいづくりと住まいの文化の向上を
めざしている。今回を含め37回のセミナーが行われ
ているが、その内容は多岐にわたっており、快適住
宅・健康住宅づくりや敷地条件・コストとの関係、
環境問題、ライフプランやリフォーム等の研修、現
地見学会を行っている。 | 「家づくりは出会い、温かい家づくり」(冨田代
表)という基本的な考えの下で、施工を希望する会
員のカウンセリングをライフプロデューサーの冨田
代表が行う。そして会員の要望に最もふさわしい建
築家を決めて紹介する。そこで、要望や条件を納得
の行くまで煮つめ、信頼関係をつくり上げて図面が
描かれ、大工・工務店・インテリアコーディネータ
ー等のキャスティングを決める仕組みとなっている。
条件と個性が生かされた優しい住空間の提供、住
文化の向上をめざす新しい型のネットワークで、土
と陶の工房・美乃里はその信頼関係と個性が生き、
文化を発信できる特徴的な例となった。
リーリルハウス
〒631―0012
奈良市中山町泉ヶ丘200―89
TEL・FAX 0742―45―3499
竹原義二(無有建築工房)
〒530―0041
大阪市北区天神橋1―12―15
TEL 06―6882―0480
FAX 06―6882―0481
土と陶の工房・美乃里
〒581―0811
大阪府八尾市新家町2―88
TEL・FAX 0729―98―7492
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