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木炭・竹炭の機能と可能性を考える

いま何故 木炭・竹炭か

―癒しの空間づくりの新しい担い手―
多孔性の植物素材の特性が生きる
  木炭は古くから燃料として日本人の生活になくてはならないも のであった。
 工業用燃料として石炭が重用されるようになり、戦後の対米属 従下での政策転換、エネルギー政策の転換で、石油が主役になり、 電力生産がすすむ下で、木炭は限られた一部での需要に激減して しまった。
 ところが近年、急速に木炭が注目されるようになり、同時に竹 炭が脚光を浴びるようになってきた。
加えて木炭や竹炭の副産物 である木酢液、竹酢液もその効用が明らかになるにつれ評価を高 めている。
 木炭が脚光を浴びてくるきっかけのひとつに、グルメブームの 中で、備長炭の火持ちの良さや焼き上がりの美味しさなどもあげ られているが、最大の注目点は環境資材、生活・健康資材として の非常に優れた機能にある。
 石油などの化石燃料の乱用は、地球温暖化とともに大気・水を はじめとする環境汚染を取り返しのつかない位にまで進行させて きた。
窒素酸化物や硫黄酸化物などの酸化物質の増大によってプ ラスイオンの多い大気状態が作り出されると共に、電気エネルギ ーの大量使用で電磁波汚染も広がってきた。
これら大気中におけ るプラスイオンの増大や電磁波障害が自律神経にダメージを与え、 疲労やストレスによる病気が広がり、健康回復が切実な要求とな るようになった。
 健康食品や健康素材が広く求められ、自然素材・エコ素材が注 目される中で備長炭を中心とする木炭が、代表的な環境資材、生 活・健康素材として注目されるようになったのである。
 備長炭を主とする木炭の機能と特性を考えると、そこには、大 自然の無限のエネルギーを得て成長した、生物素材としての木材 の組織構造や、含有されるミネラル等の原材料が持つ特性との関 連が見えてくる。
 炭材として使われるのは主に広葉樹のクヌギ、ウバメガシで、 炭の断面を拡大して見ると無数の大小の孔が観察される。
この孔 は、木材の組織構造が炭化によって細胞の集合体としての細胞構 造をそのまま残して炭になることによるものである。
大きな孔で 直径100ミクロン、小さな孔で1ミクロン以下の大小様々な孔 がタテにもヨコにも通じ、空気の通りをよくしている。
 木炭の最大にして最高の特性は、原料となる木材の細胞組織構 造に由来する大小無数の孔が存在することにある。
 1g当り200~400㎡にも及ぶ内部表面積をもち、空気や水をよ く通す炭は、有害なガスや臭い、水分を吸着して無害化、無臭化、 湿気取りなどの働きをする。
 炭は多孔質で大小様々な大きさの孔があることから、無数の孔 空間の大きさに応じて放線菌や糸状菌、酸化菌と抗酸化菌などの バクテリアが生存する集合住宅になっている。
 炭を構成する大小様々な内部空間は、それぞれの大きさに応じ た好気性菌や嫌気性菌など多種多様な菌類の住みかとなり、それ ぞれの菌類の働きによって多様な機能を果たせることになる。
炭の作り方
  竹炭の場合、伐採後、乾燥して含水率10~20%くらいにな った炭材を窯に入れ炭化させて作る。
 木や竹は主にヘミセルロース、セルロース、リグニンなどの化 学成分から構成されており、木も竹も炭化温度が約四〇〇度くら いから炭になるが、まず約200℃でヘミセルロースが、200~300℃ でセルロースが、350~400℃でリグニンが分解される。
 炭化がほぼ終わる約400℃に上昇した段階で窯口(焚き口) を開いて窯の中に空気を送り込み、温度を一気に約1000度に 上げると、炭材の温度も芯までまんべんなく上昇する。
そこです ばやく炭を窯から出して、消粉と呼ばれる灰と土を混ぜ水分を含 ませた消粉をかぶせて一気に冷やして消す。
 こうして作られた炭は白炭と呼ばれ、備長炭はこれにあたる。
一方、約600℃から700℃になった段階で、窯を密閉し、そ のまま空気を遮断して火を消し時間をかけて自然に冷却したもの を黒炭と呼ぶ。
 白炭は火がつきにくいが、火持ちがよい。
黒炭は火がつきやす く早く燃える。
黒炭の内部表面積は白炭より大きい。
環境と磁場を良くする木炭・竹炭
 現代科学は数値的に実証できないものや再現性のないものを研 究の対象にしてこなかったが、科学的な裏付けが困難な癒しの効 果や、数十種類の微生物が集まって作り出す複雑な系の及ぼす効 果についての研究などもそれらを解明するための方法論が確立さ れていなかったためなおざりにされてきた。
 木炭・竹炭の研究もこれからが本番だとも言えそうだが、生命 物質である植物から作られるが故に持つ機能の発見とその評価の 高まり、更に、今日の環境汚染を改善・解決に向かわせる有効な もののひとつであるという認識の広がりが、炭や木竹酢液の見直 しとなっていると言えよう。
 そこで、この植物素材の組織構造を残し、多孔質であることか ら、多くのバクテリアの住みかともなり、ミネラルも含む炭の機 能と役割をあげると、第1に脱臭・浄化機能がある。
想像をはる かに超える広大な内部表面積を持ち、空気や水をよく通し、その 中に有害ガスや薬剤、臭い、汚れを吸着してその1部を化学分解 し、清々しい空気や水をつくる働きをする。
土の中では臭いを吸 収するとともに、チッソ分を逃さない働きを持ち、土中の微生物 相を改善する働きもある。
川に敷いたり、各家に炭の浄化槽を設 置して家庭用水の浄化をした結果、河川にホタルが戻り、魚貝類 が豊富になった例も報告されている。
これらはすべて炭の吸着面 積の広さと孔の中に住み着いた多くの微生物の働きによるもので ある。
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第2に、優れた湿度調整機能を持っていることである。
木材が 湿気を吸排出して室内の湿度を60%程度に保とうとするのと同 等の働きを多孔質の炭が果たしてくれ、カビなどの発生も抑える 役割をしてくれる。
 第3に、空気中のマイナスイオンを増やす機能がある。
空気中 に増えているプラスイオンは、有害ガスや臭いの原因物質など、 主に酸性物質のプラスに荷電した微粒子であるが、湿気を吸収す る炭はこのプラスイオンも科学吸着してくれる。
この結果、空気 中のマイナスイオンが増加することで、快適空間を創り出す働き をする。
 第4に、土壌の改善とともに磁場を改良する機能がある。
住宅 の床下一面に炭を埋設することによって保温や周りから集めた電 子の放射、防虫等の効果を期待できるが、それ以上に地場を変え る力を持っている。
本誌第4号でも紹介した「イヤシロ地化」の メカニズムは不思議でさえあるが、敷地に一辺が30m以内の正3 角形を描き、その3つの頂点に直径1m、深さ1mの穴を掘り、 30㎝ほどの炭(木炭、竹炭など)を敷き、その上に元の土を埋 め戻す方法で、広い敷地であれば、それぞれの一辺から正3角形 を広げて各頂点に炭を埋設すれば良い磁場をつくることができる。
故樽崎皐月博士が示したように南北と東西を走る地球の磁力線と 電気力線を交差する場を作り、そこに電子を多く集めることで酸 化されたものを還元する場を作るのもので、電気を良く通すと同 時に蓄電性があって電子を逃さない炭の特性を生かした磁場の改 良方法である。
 第5に、電磁波の吸収機能がある。
通電性と蓄電性があり、電 子を逃さない性能に多孔質性が加わって電磁波を吸収するもので、 目に見えない電磁波被害、ストレスや現代病の防止の働きをする。
 第6に、水質改善の機能がある。
先にあげた水の浄化とともに、 アルカリ性の水をつくることと水のクラスター(分子)を小さ くすることで身体、皮膚にやさしい良い水に変えてくれる。
これ も多孔質材の機能が生きていると同時に、木炭・竹炭は、焼成の 過程でPHが8~9となり、アルカリ性を高めているからである。
また飲料水に入れると、有害物質を吸着するだけでなく炭に含ま れるミネラルが溶けだして、おいしくなる。
炭には遠赤外線も放 出する作用があるので、お風呂に入れると体が温まり、ミネラル 分も体に吸収されるという効果が得られる。
 これらの機能が効果的に、時には輻輳して炭パワーが発揮され ることで環境資材、生活・健康資材としての価値があり、癒しの >空間づくりの資材となっている。
  減少してきた木炭用の広葉樹
 木炭はクヌギやウバメガシを主とする広葉樹が原木として使わ れ、針葉樹を使うことは少ないが、クヌギはもともと日本に産し ている樹種ではなかった。
茶の湯とともにクヌギを中国から持ち 帰ったのが臨済宗の開祖・栄西禅師(1141~1215年)で、 これを全国の大名が植栽を奨励して日本に定着した。
 木炭が庶民にも使われ出し、茶の湯も広がる中で生産性をあげ るために600℃から700℃ 程度で焼く黒炭が普及したが、 それ以前は1000℃以上で焼いてつくる白炭であった。
 白炭も日本の文化にあったものではなく、中国で生まれたもの であるが、これを日本に持ってきたのは真言宗の開祖・弘法大師 =空海(774~835)であった。
 白炭の原木は、代表的な備長炭に見るようにウバメガシで、黒 炭の主な原木はクヌギであるが、近代に入ってこれらの樹木が著 しく減少してきた。
雑木林の減少はすさまじく、江戸時代の20 分の1以下と言われているように、近隣の山々が乱開発され、 広葉樹の育成や植栽がなおざりにされてきたことによるものである。
 特に戦後の人工林化で日本の山林の3分の1が杉・桧などの人 工林に変えられてしまった。
この山々のほとんどが以前はカシや クヌギの混生する雑木林で、用材として使える杉や松・桧との混 生でバランスを保ち、暮らしに生きる山々であった。
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