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内装に映えるスライスウッド(ツキ板)の妙  

スライスウッドとはどんなもの?


内装に映えるスライスウッド(ツキ板)の妙   
スライスウッドとはどんなもの?
●スライスウッドは表面化粧単板の愛称  「スライスウッド」と言っても知らない人が圧倒的に多いはずです。
「ツキ板」 と言えばもう少し知っている人が多いでしょう。
表面化粧用単板と言えば納得して 頂けるでしょうか。
 おわかりの通り「スライスウッド」とは、2~300年以上の樹齢の大径木の中でも 、木理や木肌の良い丸太を木取り加工して、薄くスライスした単板のことで、木材 業界ではツキ板と呼ばれているものです。
 今から5年ほど前、ツキ板のPRと普及のための懇談会の開催を筆者も加わって 呼びかけ、その場でプロジェクトチームがつくられました。
 プロジェクトチームでの検討課題の中心は、ツキ板のPRと普及のための推進母 体をどう作るかにありましたが、同時に問題としたのがツキ板の呼称でした。
 そもそもツキ板という呼称はその製法からきています。
ツキ板の最初は、丸太を 盤状に製材して、ノミで2~3㎜の厚さに突いて薄板をつくり、それを表面化粧材 として木目や杢の味わいを生かしたことに始まっています。
このように木盤をノミ で突いて作った薄板ということからツキ板の名称がつけられたもので、漢字では突 板と書きます。
 
当然ながら今ではこのような製法は用いられていませんから、突いた板と言って もピンときませんし、発祥時の製法を商品名とすることは他にはほとんど見られな いことです。
 そこでプロジェクトチームでは、聞けばイメージでき、業界用語ではなく、一般 商品名としても流通に耐え得る愛称をつくり、それを提唱しようということにしまし た。
 その結果、「スライスウッド」の名称に意見がまとまりました。
スライス○○と いう呼び方は、他でも使われており、イメージしやすいことと、今の製法はスラ イサーと呼ばれる機械で薄くスライスして作りますから、現実にも適していると の判断でした。
横文字ではどうかなという気持ちもありましたが、当時の流行も 多少考慮に入れ、木をスライスした商品としてスライスウッドとしたものです。
 愛称を決めたならば、そのPR母体をつくらなければということで、賛同企業 を募って「スライスウッドの会」を組織し、PRと同時に化粧合板を主とした受 注活動やサンプル帳の販売を行っています。
(「スライスウッドの会」の代表委員 で事務局を筆者が担当)  ただ、スライスウッドの呼称は、まだ正式に認知されたものではありませんの で、とりあえずは、ツキ板(化粧用単板)の愛称として使用します。
●生活を取り巻く多様なスライスウッド   ツキ板の呼称を問題にしたように、その名称が一般の人に知られていない商品 は、非常に弱い立場にあります。
現実には実に多くの生活シーンの中に活躍して はいるのですが、そこにツキ板が使われているとは知られていないことが多いよ うです。
家づくりにおいて、施主の側から〝ツキ板〟とか、ツキ板をベニヤ板な どに貼った(縛りつけた)〝天然木化粧合板〟を求めることはまずないと思います。
 スライスウッドが一般商品とならないのには、もうひとつ理由があります。
そ れは、それ自体が最終商品ではないからです。
ごく少量ながら、スライスウッドが 商品として求められるのに、インテリア、造形美術、工芸などがありますが、大部 分は化粧合板として商品化されるか、材料(基材)に直接貼られて商品とされてい るからです。
 
このスライスウッドが使用されている主なものをあげますと、住宅関連では、床 材、壁面材、天井板、間仕切りなどの建材。
鴨居や框、長押などの造作材。
それに 内装ドアや収納セット、戸棚などの住宅機器の多くに使われています。
それ以外に は家具、楽器、船舶・自動車、文具、小物など数限りなくあります。
 ここで、ツキ板・化粧合板に対する評価や声を整理すると ・薄く削ったものだから本物ではない ・貼り物でしかない ・接着剤を使っているからダメ ・木目が揃いすぎて不自然 ・塗装の濃いのが多い  これらが否定的見解の主なもののようです。
 一方、肯定的な評価もかなり見られます。
・高級なイメージの演出はツキ板だからこそ ・木目の妙味が良い ・同じような柄揃えができる ・洋風建築にもよくマッチする ・不燃対応ができるようになったので使える  肯否両意見さまざまですが、それぞれ相反する評価が下されるのもツキ板・化粧 合板ならではのことです。
多少捉え方に適切さを欠く面もあるようですし、関連業 界の問題もあるようです。
●紀元前に始まるスライスウッドの起源  そこで、スライスウッドとは一体どういうもので、どう使えば良いのか、現状で の供給サイドでの問題は何かを探ってみます。
 スライスウッドとは何かを語るにあたっては、まずその発祥と歴史から学ぶこと が大切だと思います。
 ツキ板の技法そのものの歴史は古く、紀元前2600年にその創造理念を見ることが できます。
それは、エジプトのピラミッドの中に残されていた家具や小物入れに用 いられていたことに始まるとされています。
更にバビロン、ギリシャ、ローマ時代 にも王朝の家具や壁面に使われているのを見ることができますし、中国でも紀元前 から使われていました。
日本では奈良朝時代の正倉院の宝物にその技法を見ること ができます。
 ツキ板の名称が生まれたのは大正初期で、静岡県の家具業者が、鐘台、針箱、長 火鉢などの表面に、黒柿、クワ、タモ杢など3㎜程度に削り、化粧貼りをして売り 出したことに始まっています。
それが評判を呼んで、他の家具業者からの注文を受 けるようになって広がったものです。
 手鉋で突いていたものを機械化したのが大正13年でした。
前年の関東大震災の復 興で家具需要が急増し、電動式のスライサーが開発され、1㎜強の薄板が作られる ようになり、本格的な生産が始まりました。
 また同じ大正の初期、ツキ板の祖と言われる故尾山金松氏が、北海道で履物店を開 業し、北海道産広葉樹の原木も扱っていました。
雪の多い冬山で切られた原木の根 元2mほどが、雪溶けでニョキニョキ顔を出します。
この根株とも言える部分に見 られる美しい杢目や玉杢に注目し、それを薄板に突き削り、ゲタの表に貼って大ヒ ットさせています。
 このように同時期に静岡と北海道で開発されてから全国にツキ板として広がり、 やがて大阪を最大拠点とした化粧合板として人気を集め、フロア、壁面に爆発的に 普及し、輸出合板としても海外で評価を得ました。
 このツキ板・化粧合板が下降線を辿るようになったのは、住宅の洋風化、規格化 、量産化の嵐の中で台頭してきた石油を原料としたプリント合板の普及によってです。
 住宅の洋風化は、表面的なカラフルさや模様で、ビニールやナイロンのような石 油を原料とした資材がカッコイイとされる風潮がありました。
柄揃えが出来、施工も 楽で、安価で手軽に入手でき、客受けも良いとあって、たちまち市場を広げ、壁面 でのツキ板の使用を押し除けました。
 さらに、洋風志向によって、床もカーペットやジュウタンがもてはやされ、ムク 板の床はもちろん、ツキ板貼りの床も価格競争の波に飲み込まれることになりました。
 こうしてツキ板・化粧合板は急速に需要が減退し、一般に馴染みが薄くなり、限ら れた流通の枠に閉じ込められたのです。
 80年代後半のカーペット、ジュウタンのダニ問題から改めて木の床が見直され、ツ キ板も使われるようになりました。
しかし、フロア用のツキ板は、木目感が求められ るもので、必ずしも木目が通って、色合いの良い銘木級ツキ板が求められたわけで はありません。
 むしろ、一般的なツキ板・化粧合板需要の減少後は、「高級物はツキ板で」という意 識が強く、ホテルや公共施設、家具等に主力の感があったのです。
 このような関係もあり、ツキ板の生産者も天然銘木優良ツキ板を追求する傾向が強 く、広くツキ板・化粧合板を普及する面での不十分さを残していました。
これらのことが全体としてツキ板・化粧合板が一般に理解されにくいものにしてきた と言えるでしょう。

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