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山を育て、木の家をつくる 

 

 山を育て、木の家をつくる 木の家づくりを広げるために何が求められているかといえば、木の家づくりを注文する人を増やすことが一番です。
ところが一般の生活者の圧倒的多くが、木造を求めているという、いろいろなデ-タ-がありながら、それが現実のものとはなっていません。
 このことは、生活者・施主の側に問題があるわけではありません。
木の家づくりは、「どこへ頼めば良いのか?」「高いんじやないの?」「実例を見たい」という人が実に多いのです。
なのに木の家に関する情報が、ほとんど得られずにいます。
 その結果、誰もが安易に住宅展示場へ行き、メ-カ-のモデルハウスを見ることになります。
モデルハウスはカッコ良くできていますし、使い勝手も良さそうです。
実際は木ではないものも木に似せられ、集成材も化粧されていますから、一般の人は、木がいっぱい使われていると思ってしまいます。
しかも、出来上っている家ですから、大壁の裏も天井裏も床下も見えません。
営業マンの巧みな説得があります。
価格も広告等で大体の察しはついています。
 モデルハウスを見に行かなくても、チラシを見たり、営業マンの訪問を受け、良く似たことになります。
 結果はメ-カ-に発注するというケ-スがいかに多いかは知られている通りです。
住んでみてからいろいろ気が付くのですが、後の祭りです。
 これは、生活者・施主が悪いのではないことは明白です。
 木の家のつくり手が少ない上に、その人たちの存在が知られていないことがまずあげられます。
 「木の家の建築家よ出でよ!名乗りをあげよ!」「木の家づくりに関するあらゆる情報を発信せよ!」ということが強く求められています。
 そこで次に出てくるのが「必要な材がない」「どこに行けばあるの?」「価格はいくらくらいなの?」という問題です。
 これは、木材を供給する側の問題です。
供給すべき木材業者は、売る材がないのではなく、売れないと嘆き、売れても安すぎて採算がとれないと悲鳴をあげています。
 この構図は、いかにも変だということは、誰の目にもわかるはずですが、なかなか事態が変わろうとはしません。
ここには木材業界の視点のズレがあるからです。
戦後の長い歴史の中で、メ-カ-指向、ゼネコン指向で部材提供業化している企業が大勢を占め、そこから抜け出せていないからです。
 この姿は、山元近くの製材業も、末端に近い小売業(仲買い)もそれほど違うわけではありません。
小売業が主に目を向けているのは工務店ですから、点在する建築家がどんな仕事をしているかを知らず、また知ろうともしていない業者が圧倒的多くを占めています。
むしろ、その存在すら知らない方が多いのかもしれません。
 しかも、山元から小売りに至る木材業者がつくる製品は、一定の規格のものばかりです。
 工務店を経由して材を仕入れる建築家も、その価格の高さに怯るんでしまいます。
 山元は、採算があわず、仕事ができないと言っています。
 こんな状態ですから、山の木をどんどん切って出材するということにならないでいます。
"木を切ることと、切らないこと"については本稿で論じますが、この状態を続けている限り、求められる材は出てきませんし、木の家づくりは広がりません。
山元はますます息がつまり、山を育てることができなくなってしまいます。
 それぞれが、それぞれの場で現状を打破するために行動を起こさなければならない時に来ています。
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