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USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に利用された木材について

1.USJではディスニーシー等とくらへ数多くの木材を多用しています。  (配布資料参照USJとディズニーシーの木材の使われ方)
2.弊社はUSJにおいて屋外の木の工事の内90%程度施工しましたが、(建物付随の施設は原則していません、店舗業者の範疇になります) 木材は1300m3ぐらい使用しましたが、その内75%はサザンイェローパインでした。
3.サザンイェローパインが多く使われた理由は、従来は日本ではデッキは上部は木で施工しても構造本体は金属やコンクリートを使います。しかしアメリカではすべて木材を使用しているので、耐久性と強度の点から考え、実績のあるサザンイェローパインが使われました。この木はボーリング場のレーンとかジェットコースターに 利用されおなじみになってきています。
4.サザンイェローパインは非常に防腐注入特性の優れた材料です。加圧注入防腐すると耐久性が非常にアップします。これを日本でするかアメリカで防腐するかと言うところが問題ですが、日本では一般的に建築の土台と同じK3と言うグレードで防腐されています。しかしアメリカでは一般的にJASで言うとK4と言うグレードで防腐されています。この一般的にと言うのは日本でも例外的にアメリカ並の防腐をすることがあるからです。
例は電柱、関西電力の電柱は腐ることはあんまりありません。それから枕木。これらは高いグレードで防腐されています。そのため、ラグーンに突き出すデッキについては、日本のものより高いアメリカ仕様で防腐をすることにしました。
5.しかしアメリカでは通常防腐はCCAと言う薬剤を使いますが、これは砒素と六価クロムを含むため、日本では禁止はされていないが、一般的に危険と思われたりしています。今回はUSJ側からCCAは耐朽性がベストでも使用禁止ということで、ACQと言う防腐薬剤にしました。
6.ちなみにACQ防腐薬剤はJASの認可薬剤ですが、それの公の機関による耐朽テストでは11年以上のものがありません。これだけしかもたないのかと思われたら困りますが、クレオソートなどは昔からありますので、実験を開始して30年経過した実験材料がある訳で、ACQは新しいのでまだ実験してから11年しか経過していないと言うことです。ただ誤解のないように言っておきますが、木材と言うのは他の材料と同じように均質ではないので、一本の木の中でも薬剤の吸収量は変わります。それで、このとおりに持つとは限りません。 
何本かには吸収量が悪くて早期腐朽を起こすものもあるのも事実です。
しかしJASもしくはAQの認定を受けていない防腐は危険と考えてもらって良いでしょう
7.今回サザンイェローパインを採用した中で最も問題であったのは、ほとんどのサイズが特注サイズであったことです。日本であれば特注と言っても1ケ月もあれば出来上がってきますが、アメリカの場合は工場と言うのは非常に量産です。日本では考えられないぐらい自動化されています。アメリカの製材工場をご覧になった方がいらっしゃれば分りますが、そのラインのスピードは日本の3倍ぐらいの速さで流れています。木材が飛んでくると言う感覚です。ですから、特注サイズは非常に時間がかかります。今回のものも既成品あれば発注後1週間や2週間で船積みできるものが4ケ月から5ケ月かかった。そのためもし追加が出たり不足材が出たらどうしようも ない事態になるので実施設計の段階で極力既製品サイズを選びました。
8.ところで3工区竹中工務店さんがされたエリアには木製のフェンスやゲートがたくさんあります。これらに ついてはサザンイェローパインはあまり使っておりません。外材ではレッドシダー・米栂・杉・カラマツ・ NZ材といくつかの材種を使い分けていますが、これらについては日本仕様での防腐になりました。理由は すべてがデザインにからんできて、デザインの決定から加工施工までの期間が非常に短く日本国内ですぐに調達 できるものにする必要があったからです。耐久性はサザンイエローパインを利用したロンバースデッキ等より 落ちますが、色々な木材の使い方の中で最も過酷な環境はデッキですから、これはアメリカ防腐仕様で、 フェンス関係は日本防腐仕様であっても問題はないと思っています。
9.今回の仕事で従来の日本の屋外用木造施設と大きな違いは、要求されるポイントが違うと言うことです。 つまり日本では見栄え・綺麗さと言うのがもっとも大きく、そのため、「割れ」や「ひび」があるとすぐに クレームになります。それで木材の選定が機能や耐朽性よりも見栄え上の綺麗さを求めがちになります。 ところがUSJはすべてアメリカ的な考え方での対応になりますので、 安全性とアート性が重要視され、見栄えについては全く問題にされませんでした。
もしこれが日本のテーマパークであればあれだけの木材は使えなかったと思います。 実際ご覧になれば分りますが、床板は日本仕様の綺麗なカンナがけではありませんが、全体の雰囲気は非常に 良いものに仕上がっています。
10.日本ではあまり屋外の木造施設には市民権はまだ得られていないようです。最近はデッキ等が公共施設や 大規模店舗に増えてきていますが、それら以外のもの、例えば木のフェンスやゲートのようなものはまだあま りありません。
私共が見ていただきたいのはそういうものが非常にまわりの雰囲気とよく合うと言うことです。
又アメリカ・カナダでは木材はありふれた素材として使われています。
又屋外に使う場合の基準と言うのも設計者から施工者まで理解して使われていますので、高耐久のものを安い 費用で加工されています。
是非これらを参考にしていただければと思います。
さらに付け加えると
USJではどんな木をどれぐらい使ったか
サザンイェローパインが800m3つまり4トン車で150台ぐらい(ラグーン廻りの分)その次に多いのが レッドシダー、それから国産の杉、後はわずかですがカラマツ、ベイ栂、米松、
防腐処理に対する考え方
ccaは使えないので、他の銅が主成分のACQ防腐とCUAZ処理材を使用した。私度もの工事はすべて屋外 の使用なので、防腐剤の圧力注入処理をおこなったが、ジュラシックパークの手摺部分については、他の工事と のからみで防腐処理は行ってはいません。
一番問題になったのはラグーンデッキについては構造そのものが木材であるし又、ラグーンの中に杭が打ち込ま れるので、どの程度の防腐処理をすべきかと言うことになったがJAS上では最も耐朽性を要求されるのはK5 と言う仕様であるが、これはクレオソートとCCAしか認められていなので、今回のACQでは次の仕様にした、 屋外のデッキ部分は日本の土台の基準の2倍、杭の部分は4倍の基準でする。これらの防腐については日本では 一般的に土台の基準の防腐が一般的で故にこれらについては日本では無理だろうと言う判断をした。
耐久性と信頼性から今回はアメリカでの防腐を選択しました (吸収量では計測しないとか、常識的に人工乾燥するとか、常時、K4でしているとか)
従来との木の使い方の違い
アートが主であるので、先に樹種が来ます。外国の建物を建てるとなると当然外材を使うとかの発想ですが、 アート的にどの木が良いかを吟味するのが先です。故に、こちらで木の特性を把握していると言う条件下で、 アートディレクターの考えを具体化していく作業をした。例をあげると、こんな木製フェンスが必要。
1.雰囲気はどんなものか、何年前のアメリカのどの場所の雰囲気か、 2.それが何年ぐらい経過している雰囲気か、用途は、それから考えられる強度は、耐久性は。
3.それでサンプル製作、エイジングの確認。
ともかくアートが主体、アートディレクターがウンと言わないかぎり前に進めませんでした。
何を大切に考えたか
アート(その場所の設定空間の雰囲気に合っていること)と安全性
日本人的な綺麗さは無視、
何がやりにくくて何がやりやすかったか
私たちは目的と現物があればアメリカ人の考え方は理解できました。だからフロリダを見た時点で工法なり 考え方はすぐに理解できたので、ラグーン廻りは量的に非常に多かったのですが問題は特にありませんでした。 問題はフェンス関係で、アメリカよりはるかに凝っている。
安全はアメリカよりうるさい。アメリカにはある金物類が日本にはない。特にウェスタン廻りは場所ごとに フェンスの形状を変えていったので、多種類になった。全体に遅れたため、とにかく納期がないので、私たちが ベストと思う材料がゼネコンさんにとっては進められては困る材料になったりする。
非常に楽だったことは日本では一番問題にされるのは木が割れたらいかんひびが入ったらいかんと言うような 木の特性を無視した要望が出されるので、屋外に木を使う場合は雰囲気とは違う材をつかわねばならないこと が多い(割れの非常に少ない木を使うとか)のですが、それがアメリカの場合は木が割れると言うは常識で あるので、私たちにとつては大変やりやすかった。