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【38】さわぐるみ

茂る木を手で撫で我に問う人あり 青き花垂りて沢ぐるみと見ゆ
(土屋文明)
落葉高木。
北海道、本州、四国、九州の温帯低湿地に分布する。
高さ30m、直径1mにも達し、幹は通直、樹皮は灰白色、5月に新葉と共に開花し、30cmにも近い長い尾状花序を下垂するので、遠くからでもすぐこの木とわかる。
果実は小さく堅果で翼がある。
材は「ヤマトギリ」と称し軽 く柔かく下駄材、経木、燐寸の軸木、白箸に使用される。
樹皮は丈夫で皮箕等の細工物や山小屋の屋根材、渓谷の丸木橋にもよく使われ人びとの生活との結びつきが強い。
本州では、渓流に良く育つので「カワグルミ」といわれるが、北陸地方は「コークルビ」、九州では単に「クルミ」、東北では「ヤシ」又は「ヤス」。
四国、九州では「ノブ」、中国地方は「コーダ」、秩父地方の「カルメ」、新潟県の「ドウハン」、徳島県の「カワズ」等いろんな呼び方をされている。
標準的に呼ばれている「サワグルミ」は静岡県、愛知県、長野県、岐阜県等の本州中部に於ける地方名称であったようで、又「ヤマギリ」と呼んでいる地方も多い。
いかに古くから親しまれていたか、「サワグルミ」の民俗の古さを物語っている。
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