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【92】やし

名も知らぬ遠き島より   流れ寄る椰子の実一つ 故郷の岸を離れて汝はそも波に幾月
      
(島崎藤村、椰子の実)
熱帯一般にはえる常緑高木。
高さ20~25mに達し、幹は単一で径20~30cm、基部はふくれ、頂上に20数個の大形の羽状葉がかたまってはえ四方に拡がる。
葉は帯黄緑色で、長さ4~5mになる。
核果は大形 で、三稜形をおびた卵形の長楕円体で長さ25~40cmになる。
果皮は繊維室で中に骨質の内果皮が核となり、その中に大きな一種子がある。
その周囲の固まった胚乳がコプラで脂肪に富み、 熱帯の植物資源として有数である。
中果皮は刷毛、 敷物、 縄、 靴拭に使用される。
乾燥胚乳は市販のコプラ、 脂肪は化粧料、石鹸、人造バター、 製薬に用いる. また、油粕は飼料にする。
先年南太平洋群島フィジー島へ行った時、 子供が木に登って落してくれたココヤシの実を、昔は人食い人種だったという私よりはるかに大きい、原住民の婦人がその場で穴をあけてくれて飲んだ. その胚乳は、カルピスを薄めたような味で今でも忘れられない。
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