024.ネムノキ 

解説

マメ科ネムノキ属。落葉小高木。

別名をネム、ネブノキ、コウカ、コ ウカノキなどという。名前の由来は、暗くなると就眠運動で葉を閉じて眠ったようになるからである。また漢字名の「合歓木」は、中国においてネムノキが夫婦円満の象徴とされていることから付けられたものである。イラン、アフガニスタン、中国南部、朝鮮半島、日本の本州・四国・九州に分布する。ネムノキ属は主として熱帯に150種ほどが分布するが、その中でネムノキは飛び抜けて耐寒性が強く高緯度まで分布する。温帯で広く栽培され、一部で野生化している。高さ10m、直径30cmほどになり、太い枝が斜めに伸びて逆三角形の樹形になる。葉は長さ25cmほどの2回偶数羽状複葉。頭状花序的に枝先に集まって10-20個の花が夏に咲き、淡紅色のおしべが長く美しく、桃のような甘い香りがする。花は夕方から開く。果実は細長く扁平な豆果。マメ科に属するが、他のマメ科の植物とは花の形が大きく異なる。ネムノキの葉にはクエルシトリン、若葉にはビタミンCなどを含み、ゆでて食用にされる。牛馬の飼料にもなる。夏季に集めた樹皮を天日乾燥したものを生薬で合歓皮といい、利尿、強壮、鎮痛、駆虫の効果がある。また、上田地方ではネムノキの木部を黒焼きにして、小麦粉でねって打身や打撲の部分に貼る方法が伝承されている。このように、ネムノキは香料、食用、薬用など地域で多目的に利用されている貴重な樹といえる。

ネムノキが咲くと、アズキあるいはヒエ、アワなどをまくという自然暦がある。 樹冠の葉叢上に点々とピンクの花をつけている様子は詩情に富み、芭蕉の「象潟や雨に西施がねぶの花」 などの句がある。

+ ネムノキの花ネムノキの花 ネムノキの花
樹形
2007年9月23日 韓国済州島 植物園にて撮影
+ネムノキの実 ネムノキの実
表皮
写真
2000年5月13日万国博覧会公園内日本庭園にて撮影
ネムノキ樹皮
 神戸森林植物園  2015年4月28日 撮影
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