0089.ユズリハ


解説
常緑高木。譲葉、交譲木、楪、杠、槐  高さ4~12m、直径60cmくらいになる。
本州(福島以西)、四国、九州におよび朝鮮半島南部から中国暖帯に分布  海岸線から離れた内陸の山地に自生する。
近年は公害防止、工場緑化、環境緑化木としての需要も多く苗木生産も行われている。
萌芽と落葉を入学と卒業にかけて学校で記念樹にもされる。
葉は長さ10~25cmの長楕円形で、全縁で枝の先端部に束状になってつく。
葉表は光沢のある深緑色、裏は白緑色。
冬になると太くて長い葉柄が殊のほか赤く美しくなる。
葉片と枝とは緑色なので、色のコントラストがあり目立ち、 ユズリハは全く冬の植物であること思わせる。
特に葉を上から見たときには車輪のスポークの赤と車輪の葉みたいでハッとさせられる。
「和漢三才図会」に「譲葉木」とあり、「重修本草綱目啓蒙」には「交譲木」とある。
ユズリハは、5月ごろから新葉が開きはじめ、そして8~9月に新葉がすっかりそろってから、これを見届けるかのように、古葉が落ち、 新旧の交替が極めて明確に行われる。
そこでユズリハ(譲り葉)の名が生まれた。
葉の形状から弧を描く葉の形を弓の弦にたとえたユズルハ(弓弦葉)という説もある。
ユズリハの葉を正月飾りに用いる風習があり、別名ショウガツノキとも呼ばれる。
古くは、「延喜式」に、新年や大嘗祭の折にこの葉をもちいたという記録も残っている。
これは新旧の葉の鮮やかな交替にちなんで、旧年から新年への移り変わりも、鮮やかでありたいという願いをこめたものであろう。
季語も新年。
譲る性質はユズリハに限ったことではなく、マツ、スギ、のような常緑樹の大部分がそうである。
おそらくユズリハは常緑のはっきりした青々とした葉を持ち、葉柄との色のハデさからこの木に名づけられたのと思う。
新葉と旧葉の交代を、子が成長し親が譲る世代交代にたとえてめでたい木として、 この木の葉が正月の縁起物としてダイダイやマツ、ウラジロとともに飾られることになったのであろう。
各地の新年にまつわるわらべ歌では「お正月さま」と呼び、遠くからやってくる神さまということになっている。
この時、正月の神さまが利用する乗り物がユズリハの葉であったり、ユズリハを笠にしてやってくる。
「お正月さんがござった ユズリハに乗って ユズリユズリござった」と似たような歌が歌われている。
 4-5月ころ、新葉とともに枝の先の葉えきから花柄を出し、緑黄色の小花を総状花序につける 雌花には、10-11月ごろ、球形で黒味のある藍色の球形の実を結ぶ。
黒紫色の実は、小鳥が好んで食べるから、その種子が遠くまで運ばれるだろう。
写真
新旧の葉 中川木材産業 2013年4月20日
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千里万国公演5月13日 撮影
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千里万国公演5月13日 撮影
ユズリハ
堺市美原区ウッドリーム大阪周辺 2012年1月12日 撮影
ユズリハ
堺市美原区ウッドリーム大阪周辺 2014年4月5日 撮影
ユズリハの実
堺市美原区ウッドリーム大阪周辺 2013年6月11日 撮影
樹形
ユズリハ
堺市美原区ウッドリーム大阪周辺 2014年1月5日 撮影
写真 写真
大阪市大植物園4月9日 撮影
表皮
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大阪市大植物園4月9日 撮影