1098.アカギ

解説

トウダイグサ科アカギ属 学名: Bischofia javanica  別名カタン、アタン、コウキ インド、ネパール、バングラデシュ、ビルマ、タイ、支那、台湾、インドシナ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、パプア・ニューギニア、ニュー・ブリテン、オーストラリア東北部、ポリ ネシア(サモア、トンガ)に広く分布し、わが国では沖縄諸島、八重山列島、小笠原諸島で植栽ないし、野生化しているもある。
 英名はbishop wood、Java bishop wood、Java cedar、red cedar、仏名はbois de l'eveque、、中国で秋楓、重陽木、茄苳、茄冬、赤木、万年青樹、烏楊、水架、マレーでjitang、サバでtuai、インドネシアでgadog、gintungan、bintungan、keranjing、gerondijingなどという。
日本では高さ15-25m程度の常緑または半落葉の高木ですが、海外では高さ40m、直径2.3mまでになるものがある。樹皮は細かく割れて剥がれ、全体に赤褐色、また材の切り口が赤っぽのい、そして樹液が紅色をしている等でアカギの名の由来と言われている。
樹幹はほぼ通直または形が不良で、通常低い処から分岐する。ときに高さ3mまでの険しい板根をもつものがある。樹皮は灰褐色から紅褐色、紫 褐色を呈し、初めは平滑に近いが、やがて割れ目が入り、小くて厚い裂片ができてささくれる。傷つくと内樹皮から紅色の樹液が滲出する。小枝は無毛である。葉は互生する3出複葉でまれに5小葉からなる。小葉は卵形、卵状楕円形で長さ7~15cm、幅 4~8cm、短尾状鋭尖頭、基部は楔形から鈍形を示す。紙質で縁に浅い鈍鋸歯があり、幼時脉上に僅かに細軟毛があるが後に無毛となる。頂小葉柄の長さは2~5cm、側小葉柄の長さは0.5~2cmである。総葉柄の長さは8~20cmで長く、膜質で皮針形、長さ約8 mmの托葉をもつが早落性である。  2-3月頃に開花し、腋生の円錐花序または総状花序に多数の淡緑色の小花をつける。雄花序の長さは8~13cmで、多く分岐して幅が広く、雌花序の長さは15~27cmで、疎らに分枝し下垂する。花序に僅かに軟毛があるか、または無毛である。雄花は径2.5mm までで、がく片が5個、雄ずい5個があり、また中央に短柄で広い楯状をなす退化雌ずい1個をもつ。雌花には脱落性のがく片5個、雌ずい1個、きわめて小い退化雄ずい5個がある。子房上位で球形、3室ときに4室で、各室に胚珠2個を含む。花柱は3個で柱頭 部分で開出して曲がる。果実は8~10月に熟し、球形の石果で径1.2~1.5cm、青黒色を呈し裂開しない。核内の各室に種子1~2個をもち、種子は長楕円形、倒卵形で、長さは約5mm、褐色を呈する。 材の組織としては散孔材で、辺・心材の境界は通常明瞭で、辺材は淡黄白色から淡褐色、淡紅褐色を呈し、幅は1~4cmで狭い。心材はやや紫色を帯びた褐色、濃褐色、濃紅褐色を呈し、空気にさらされて暗色を増す。生長輪は不明瞭なものが多い。木理は一般に交走するか または波状をなし、また比較的通直なものもあり、肌目はやや精ないしやや粗で、均質である。伐採直後の材には酢の匂いがする。リップルマークは見られない。
 軸方向柔組織はきわめて少く、僅かに道管周辺などに散在する柔細胞があるに過ぎない。柔細胞の径は0.01~0.04mm、壁厚は0.001~0.002mmである。樹脂様物資を含んでいる。
細胞中には樹脂様物質を含み、また辺縁の直立細胞または方形細胞に菱形の 結晶があり、ときにこれが上下方向に2~4個に区切られた隔室になっている。シリカは見られない。
  材の性質と利用用途は気乾比重に0.52~1.01の範囲の記載があるが、0.70~0.80などのものが多い。材質数値の例として、生材から含水率12%までの収縮率は、接線方向3.2~6.2%、放射方向1.0~2.6%、縦圧縮強さ464~607kg/cm2、曲げ強さ1,040~1,132kg/cm2、 曲げヤング係数10.7~11.7×10(4)kg/cm2、せん断強さ173~214kg/cm2、ヤンカ硬さは横断面984~1,155kgである。
 製材は生材では容易であるが、乾燥するとやや困難となる。乾燥は干割れ、狂い、コラップス、内部割れが出やすいので一般に困難である。鉋削、型削、旋削、研削は一般に良好で平滑な面が得られ、ユリア樹脂接着剤による接着、塗装もあまり問題がない。釘打ちで割れが出にくく、釘の保持も良好である。ロータリー単板製造では切削、乾燥ともにあまり良い結果が得られていない。パルプ化には繊維が長いので紙用に望ましく、硫酸塩法でほぼ良い結果が得られている。材の耐久性については種々の 評価があり、外気、接地条件では一般に腐朽しやすいが、水中では長くもつとの記載が見られる。白蟻、海虫に対しては抵抗性がなく、辺材にはキクイムシの食害があり、また変色を生じやすい。防腐処理としては心材はきわめて困難である。
 樹は地方的に一般によく知られているので現地での各種の利用が多い。パプア・ニューギニア地域ではJava cedarの名で市場材として出材される。材の用途を列挙すると、建築を含む軽構造材、フローリング・パネル・縁材その他の建築造作材、家具、槌・臼・桶樽・農具その他の器具材、枕木・坑木・舗木・杭・橋梁などの土木材、包装材、船舶、楽器、彫刻 、銃床その他がある。台湾でシタン.の模擬材、琉球で漆器の木地、三味線の棹に用いられる。インドで茶箱に用いられたが、それには重すぎるという。燃材としては良質でないが、とくに鍛治用木炭に用いるとの記述がある。
 樹皮にタンニンを7~16%含み、紅色や黒色の染料、漁網やロープの補強に用いる処がある。果実は食べられ、また酒に作られる。葉は緑肥にし、また10%ほどの酒石酸を含むのでその製造原料に考えられたことがある。種子からの油は食用、潤滑油と なり、葉や根は風邪や胞毒の民間薬に用いられる。樹は庭園樹、庭木、防風樹などに植栽されるが、またコーヒーやカルダモン栽培の庇陰樹に用いられる。
  現在では観葉植物にも利用されているが、案外と寒さにも強く、日陰でも!日当りの良い所でも育てやすい。
樹形

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大阪市大植物園4月9日撮影

表皮

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大阪市大植物園4月9日撮影

沖縄のアカギ


首里金城の大アカキセ  2003年11月