1201.カヒンザクラ


解説

バラ科サクラ属。落葉高木または亜高木。樹高は5m程度。葉は秋になると紅葉する。
中国南部から台湾にかけて分布する。日本では園芸品種とされるが、主に沖縄県で野生化し、沖縄で「桜」と言えばこのカンヒザクラを指している。沖縄や奄美でのサクラの開花予想及び開花宣言はこのカンヒザクラの開花に対して発表される。沖縄では1月から2月に開花し、また、関東より南でも植えられており、2月から3月にかけて花を咲かせる。このサクラは原種の一つである。旧暦の正月あたりに咲くことからガンジツザクラ(元日桜)と呼ばれることもある。ヒカンザクラ(緋寒桜)と呼ばれることもあるが、ヒガンザクラ(彼岸桜)と混合されやすいため、近年はカンヒザクラと呼ばれることが多い。薩摩から江戸に伝わったことから「サツマヒザクラ(薩摩緋桜)と呼ぶ場合もある。
樹皮は紫褐色で黒色を帯びることが多い。花はふつう平開せず鐘形で下垂する。早春の寒い頃から開花し、花の色が濃いことからカンヒザクラの和名がついたといわれている。花弁は5個で、ふつう卵状楕円形で先端に切れこみがある。花の色は「緋」という名前の由来通り、濃い紅紫色が一般的ではあるが、ときに色の淡いものや白色のものもある。また花が終わっても花弁が1枚ずつバラバラになって散ることはなく、萼筒に花弁と雄しべがくっついたまま落花するのが特徴のひとつである。

写真