1290.サンショウ

解説
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島南部に分布する。若葉や種子を採るために、庭によく植えられていて1~2mぐらいのものだが、山に自生するものは 3m程度にもなる。
古名をハジカミというが、ハジとははぜることで、果実の皮が裂けるさまを表わし、カミはニラの古名で、味がニラのように辛い味ということからと言われている 。山椒(さんしょ)は山にある辛味を表わす意味で使われだしたと思われる。
春から初夏に花弁のない黄緑色の小さな花を枝先に群がってつける。花の終わったあとに、果実は5mmほどの丸くて赤褐色の果皮の中に光沢のある黒い 種子を持ち、楕円形。
木、葉、花、果実とすべてに独特の香りがある。中国では、強い香りが邪気を払う魔除けとして、また多数の実をつけるので子孫繁栄を願い大切にした。
葉から材まで、これほど食卓と関わりの深い樹木は他にない。日本独特の特異のな香辛料で、これがなかったら和食もメリハリのないものになっていたかも 知れない。
アゲハチョウのが幼虫が好む葉で、10日ほどで食い尽くされるのでと注意が必要。雄雌異株なので、料理などに葉だけを利用する場合は雄株だけでもよ いが、実も利用したいときは、春先に雌株をさし木にするとよい。
材の比重は0.78ぐらいで、強靱で折れにくい。ろくろ細工の筆筒(ふでづつ)、巻煙草入れ、茶托などのクラフト、傘の柄、ステッキと薪炭材などに用いられるが、すりこぎとしては貴重な材料である。強く磨耗しにくいことも あるが、木の成分が魚毒を消すためともいわれる。普通のすりこぎは、両端の大きさが違い、摺鉢にあたる方が太いが、サンショウのものは同じ太さで、でこ ぼこの樹皮をつけたままである。
樹皮を木灰汁でゆでたものを川に流したり、乾燥粉を川の中でもんだりして小魚取りに使われたが、明治時代に法律で禁止された。
サンショウによく似ているものにイヌザンショウがある。サンショウはとげが二本ずつ向き合ってついているのにこれは、トゲが1本ずつ互い違いについてい るので簡単に見分けられる。また香りは悪いので食用にはならない。しかし民間では果実を煎じて咳の薬にしたり、葉を粉にして打撲傷の外用薬とする。サ ンショウより大きいものにカラスザンショウがあり、材質が軟らかく軽いので、昔は下駄材にしていた。
昔はサンショウは、季節の目印だった。紀州では、「山椒の芽の出始めるころタニシが旨い」、筑後川上流には「カマツカの山椒味?」といい、タニシや川魚 のカマツカがうまいシーズンである。しかし、「山椒の下で歌うと木が枯れる」、「歌いながら山椒の実を摘むと枯れる」とか「屋敷内に山椒を植えると不幸が ある」などの俗信が、日本全国にあり文化と生活が複雑にからんだ木である
サンショ 北海道 サンショ 北海道
上2枚 北海道大学植物園  2014年9月14日

サンショ

和歌山県御坊市  2014年10月5日
サンショウの実 サンショウの実
上2枚 和歌山県御坊市  2014年10月5日
サンショウの実 サンショウの実
上2枚 和歌山県御坊市で購入した実  2014年10月5日