151.スギ


解説 スギ科。
常緑針葉高木。日本特産で青森県以南の日本各地に分布する。土質の種類を問わずによく育つので全国各地に生育しているが、一番よい場所は、西日のあたらない谷間や北及び北東に面した山谷、山腹である。
さらに、土壌が深く、肥沃で適度の湿気を有する所を好み、乾燥地には不向きである。
スギの語源には諸説があるが、「すぐ木(真っすぐな木)」という説が有力である。スギには杉の字をあてるが、中国で杉木というと、スギ属とは別のコクヨウザンのことである。弥生時代の登呂遺跡の水田跡からは、あぜ道に使われたおびただしい数のスギの矢板が発見されているように、日本人とスギとの関わりはきわめて深い。西欧の「石の文化」に対して、「木材文化」といわれる日本の文化を支えてきた有用樹種である。有史以来、伐採とともに盛んに植林が行われたため、もともとの天然分布は定かではない。東北地方の太平洋側から四国・九州に分布するスギをオモテスギ、日本海側から北陸・山陰地方に分布するスギをウラスギといって区別することがある。
鹿児島県屋久島に生育するスギの大木は、とくに屋久杉といわれ、樹齢2000~4000年と推定されるものも数多い。大きいものでは樹高50m以上にもなり、国産樹種のなかでは高さ・寿命とも第1位の座を占める。
材は、建築土木用のほか、家具調度・経木・割箸・酒樽など、生活用材としても広く利用されてきた。
日本森林面積は2515万ha、その中で1040万haが人工林、その中の58%が杉で、杉と桧で約8割を占めている 造林の北限は札幌あたりで、函館付近でもかなり良いスギ林ができている。
特に有名な林業地をあげると、奈良県吉野、三重県尾鷲、静岡県天竜川筋、大分県日田、鳥取県智頭などがあり、それぞれが樹、葉や材質等に特長を持つ品種をいくつか育成している。 花は雌雄同株(同じ樹に雌花も雄花もつくもの)。雄花は前年の秋に生まれ、越冬して翌年の3月上旬頃に開きます。円筒形で先が丸く長さは1㎝弱、直径0.3㎝くらいで、黄褐色をしている。そして、その円筒に雄ずいという切れ目がらせん状にたくさんついていて、そのすき間に45ヶの丸いヤクという袋があり、これが縦に割れて、中の花粉をたくさんまき散す。これが、春先の花粉アレルギの主な原因となるものである。スギは、風媒花で風に花粉を運ばせて、小枝の先にある帯紫色の小さく丸い雌花に実をつけ、実は長さ23㎝の卵形をしており、10月頃成熟します。松かさのようになっていて、1つ1つのウロコは木質でくさび形をしており、その下に35ヶの種子を隠している。種子は長さ5㎜、幅は2㎜くらいでルーぺでみると両側に風にのるための狭い翼を持っている。
葉は互い違いにつき、細い針のような形をしており、つけねに向かって太くなり枝につながるのでその境がわかりにくくなっている。又、枯葉になっても葉だけが落ちることはまずない。
長さ0.41.2㎝くらいですが、若い木では2㎝にもなることがあります。 スギという名のごとく幹はまっすぐで枝ぶり全体でいうと円錘状のシルエットになります。成長の衰えたものは先が円くなって卵形に近くなります。枝下が長く、枝は一般に細めです。樹皮は、赤褐色から暗褐色で縦に長い割れ目が入り、繊維質で細長くはがれる。木口から見ると辺材は白色に近く中央の心材は淡紅色から暗褐色で、時には黒っぽいものもあり、辺材と心材の区別は大変はっきりしている。年輪幅の広い狭いやその整い方などは、それぞれの樹の成長状態によって様々である。板目から見ると木理展型的な山型をしていて肌目はややあらい。又、柾目から見て、細かくて細い平行線がたくさん並んだような材は、年輪が密ということで、堅くて均一で良い材と評価され糸柾と呼んで珍重される。スギ材特有の匂いも大きな特長の一つです。材質は、天然木であるか否かによってかなり違い、またそれぞれの成長経過によって随分左右される。比較的軽く軟らかく、加工や乾燥も容易でかつ一程程度の強度があるというのがスギの特長である。 又、縦(繊維方向)に加わる力に対して強く、木理がまっすぐである事や乾燥や加工がしやすいという点で、建築用材として柱などに適用している。さらに、水や虫にも比較的強いので外壁や雨戸にも使うことがある。 スギの名の由来 貝原益軒の「大和本草」に「木直也故にすぎといふ、すぎはすぐ也」と記されており"まっすぐの木"がすぎの木になったという訳である。古事記などに出てくるマキの木はスギを主とし、他にヒノキやコウヤマキも含んで、「マキ」と呼んでいたようである。
年輪
写真
写真
樹形
樹皮
スギの樹皮
大阪市立大学付属植物園 2015年5月3日撮影
造林地
写真
奈良県の杉
日本の巨樹巨木にもスギが数多くあります。
スギ御仏供スギ/御佛のすぎ 金剛寺のすぎ 鉾納宮の夫婦すぎ 阿弥陀スギ 満山神社の杉群 手野のすぎ この木に関する俳句すぎ