158.タブノキ


解説
 常緑高木。
本州中南部、四国、九州、琉球、台湾、朝鮮半島南部、中国中南部に  分布する。 別名イヌグス。中国名は楠である。高さ20m。直径1m。木理はやや粗。  比重は0.65。散孔材。 心材は紅褐色、ただし濃色のもの(ペニタブ)と淡色のもの (シロタブ)とがある。辺材は淡黄褐色。 年輪は木口面ではおおむね明瞭であるが、柾目・板目面ではやや不明瞭。肌目は粒く、しば しば交錯木理や杢があらわれる。強さ、切削・加工性、耐朽・保存性、  乾燥の難易、ともに中位。 割裂は困難。
古代の信仰で対象となった大きな樹が霊(タマ)の木であり、それが  タモ、タブと変化 したとも考えられている。
また『万葉集』の大伴家持の歌、  「磯の上の都万麻を見れば根を延へて 年深からし神さびにけり」のツママは、タブ  ノキとされている。
葉の表面はつやがあり、触るとなめし 革のようになめらかで厚い。 安価な線香は通常、スギの葉の粉末を糊で固めてつくられるが、高級  な香というのは、ジンコウやビャクダン、チョウジといった各種の香木・香草を練り固  めてつくられる。  タブノキの樹皮には水と混ぜると粘液を生ずる成分が含まれ、古来、たぶ皮と呼  ばれ、線香や 練香の粘料として使われた。また八丈島では、樹皮は褐色の染料と  して用いられた。
 また、クスノキのような芳香はないが、材は良質で、建築・家具・  細工物などに広く利用される。
タブノキの葉
大阪市 長居物園2012年10月8日撮影
写真
大阪市大植物園4月9日 撮影
タブノキの葉
神戸森林植物園  2014年5月18日 撮影
樹形
タブノキの樹形
長居植物園2012年7月29日 撮影
タブノキ
大阪市大植物園4月9日 撮影
表皮
断面 タブノキの樹皮
大阪市大植物園4月9日 撮影