0168.モモ


解説

落葉小高木。 バラ科サクラ属モモ亜属。高さ3-8mほどになる。原産地は、中国西北部の黄河上流地帯であるといわれ、弥生式土器時代の遺跡からモモの種子が出土しており、この時代にはすでにわが国に渡来し、果物として食べられていたと考えられる。古くからわが国にあったモモは、果実が小さくて硬く、味もよくなかった。そこで明治初年に、欧州や中国から優良品種を輸入したが、わが国の気候風土に合わず栽培は失敗となった。明治30年に、水密桃の種子をまいたものの中から、新しい品種が発見され、それ以降、優秀な品種が生まれるようになった。現在は世界温帯中南部各地に栽培されているが、日本では福島県、山形県、山梨県、岡山県の諸県が主産地である。 桃の節句は女の子の祭りとして災厄をはらうという古代信仰の伝統によるも のである。 桃の花の咲きはじめは色は淡いが5-7日経つに従って色香を増し、香りの成分はクマリンなどである。果実は7月が最盛で夏の果物の女王である。そのため品種も多く、「水密桃」「大久保」「白桃」「白鳳」などがある。他の果実と違って木の寿命が15-20年と短いので品種の移り変りがはげしい。幹や枝には樹脂があり、傷がつくと分泌する。葉は互生し、披針形または長楕円形で長さ10-16センチ、先はとがり、縁に細鋸歯がある。3-4月、葉に先だって、淡紅色または白色の5弁花を開く。また、中国の詩経や、日本の古事記などにも記載され、古くから薬用や食 用、観賞用と用途があり、春を彩る美しい花木である。園芸種が多く、人気がある。
桃仁には、脂肪油、アミグダリンなどを含んでおり、漢方では、消炎、鎮痛などの目的で、婦人病などの処方に配剤される。白桃花には、配糖体のケンフェロールなどを含んでいて、漢方では、利尿、緩下薬としての処方に配剤される。
モモは古くから、邪悪なものをしりぞける霊的 なものと信じられ、「古事記」「万葉集」に登場するモモは現在のモモではなく、ヤマモモ のことであるという 説もある。
モモの語源は、マミ(真実)あるいは実の赤いところからモエミ(燃実)の転じたものであるとか、 実が多くつくので、 モモに通ずるものであるといった諸説がある。


写真
この木に関する俳句もも