179.キリ 


解説
 落葉の高木広葉樹 ゴマノハグサ科(scrophulariaceae) 学名:Paulownia tomentosa(Thunb).)Steud
上写真(拡大可)のキリは高さ約15メートル・大阪府八尾市の心合寺山古墳にあるキリの巨木。
樹は狭円柱形、樹高:8~15m、胸高直径50cm程度。
原産地は中国と言われているが牧野さんの資料ではわかっていないとなっている。あまりにも諸説が多くあって今だにはっきり決まっていない。しかし古い時代に中国から渡来したことはまちがいないようだ。各地で栽培されてきたため、種子が飛散して自生のように見える植生がある。本州から九州までの山里に多く見られます。
欝陵島や北九州の山中に野生状態も見られる。現在では各地で栽植される。生長が非常に早い。また栽培も容易で植えておくだけでよい。
今では中国、台湾、米国、フラジルなど、海外諸国で植裁されたものが大量に輸入され、婚礼家具にされている
開花時期:5月 初夏枝の頂きに多数の紫色の花をつける。つぼみが前の年にでき、翌年の5月葉に先立って枝先の円錐花序に薄紫色の花が多数咲く。花冠は5から6センチで、花の先が唇形に五裂に分かれる。頂生といって、枝の先にかたまって咲く花が、淡い匂いをかすかながらも含んでいます。樹皮は褐 灰・灰白色で平滑。葉は長柄をもち大きな広卵形(ハート形)で先がとがっている、全面に粘りけのある短い毛が密生する、長さ20~30cm。果実は先が尖った、卵形。
よく知られている産地は福島県(会津桐)、岩手県(南部桐)、さらに新潟県、茨城県などあるが、全て同一種(ニホンギリ)の生育環境の違いによるものである。また、タイワンギリ(p.kowakamii)、アブラギリ等はニホンギリとは別種のものである。
心材は淡褐色で、辺材はそれより淡色な程度で、辺材と心材の区別は不明瞭、材はくすんだ白色からうすい挽褐色、ときに紫色を帯びていることがある。
材面の肌日はややあらい感しである。年輪の境界に大きい道菅が帯状にまばらに配列する程度なので、年輪はあまり明らかでないが、成長が遅いとかなりはっきりとしてくる。
辺材と心材の区別は不明瞭で、材はくすんだ白色からうすい挽褐色、ときに紫色を帯びていることがある。
日本産の有用材のうちで最も軽軟であって気乾比重0.2~0.4、ふつう0.3くらいである。
切削その他の加工はきわめて容易であり、狂いと割れが少なく、糊付け加工も容易、とくに酢酸ビニル樹脂接着剤による接着性がよいなど寸度安定性が特によい独特の材質をもっている。このことが種々の家具に用いられる理由のひとつで、製品になってからも作った時のままの形を保つので、始めがら密閉度の高いものを作ることが出来る。
表面を研磨すると光沢が出る。狂い割れも少ない。燃えにくい。
日木木の中で吸湿、 吸水性が著しく小さいことであり、また含水率の変化に伴う収縮率・膨張率の値そのものは国産材では最小である。また熱伝導度の値が小さい。
材をはじめとしてきわめて多方面の用途があり、キリでなければならないもの、あるいはキリを随一の材料とするものが多い。
家具(箪笥など)、建具、天井板・欄間・箪笥、楽器(琴など)、羽子板、彫刻、下駄、羽子板など多方面に使われ、キリ灰は研磨用、火薬、絵画材、眉ずみにします。端材を焼いた灰は懐炉灰1に、樹皮は染料に、葉は除虫に用いられています。
984年に編纂された日本最初の「医心方」という医学書の中には、桐の灰と動物の乳を混ぜて作った物は養毛の効果(毛髪が気になる人は一度試してみてはいかがでしょうか)があると書かれており、平安時代から薬として利用されてきました。
番傘とか提灯の塗料キリ油はトウゲイグサ科アブラギリから採る物で、これとは無関係です。
昔は女の子が生まれるとキリを植えて、嫁ぐ時に伐ってタンスを作りました。また炭焼がまの跡にキリを植える習慣もあったのです。和名は「切り」で木を切れば早く生長することからいう。2年ほどで切ればその株から芽が出て生長の早いところから。
晩秋に枯葉が一枚一枚ゆっくりと落ちてくるさまは、しばしば、俳句の題材として取り上げられる。
キリのタンスが重用されるのは、火事にあっても表面が焦げるだけで、中まで熱を通さないためといわれるが、これには諸説がある。
キリには梧の字もあてるが、これはアオギリ科のアオギリ、のことであり、桐はゴマノハグサ科のキリをさす。
大阪城の北 側に多数植えられているが開花期は見事。
『ビンからキリまで』という言葉は花札から生まれたと言われている。始めから終わりまで、最上のものから最悪のものまでを意味する言葉で『ピンからキリまで』という言葉を良く使いますが、ビンはサイコロの一の目やカルタの一の数字のこと。ピンはポルトガル語の(pinta:点)のことで、花札ではピンは一月の松の札、キリは十二月の桐の札のことで『ピンからキリまで』という言葉は一月から十二月までの呼び名が転じてできた言葉なのです。語源からすると、ピンが最悪でキリが最上ですが、現在では逆の意味で使われている。
岩手県の木

木目
写真
写真
大阪府八尾市 大竹 心合寺山古墳の桐  2009年4月25日
キリの花
上2枚 長居植物園 2015年4月26日撮影
樹形
写真
大阪府八尾市 大竹 心合寺山古墳の桐  2009年4月25日
表皮

写真

 

キリ
 神戸森林植物園  2015年4月28日 撮影
この木に関する俳句きり