233.コブシ


解説
モクレン科。落葉高木。日本各地および朝鮮半島南部の温帯から暖帯に分布してい る。コブシの名は、「拳」の意味で、つぼみの形にもとづいたものである。幹は直立 して高さは8-10mぐらい、直径20-30cmにもなる。大きなものは樹高20 m。直径70cmに及ぶ。多くは分枝している。葉は互生し、広倒卵形で、長さは9 -17cm、下面は淡白緑色を帯び、若葉には毛がある。春、新葉が出るより早く、 白色で大形の花が開き、小枝の先に1個つく。また、葉、枝、つぼみ、花、樹皮すべ てに匂いがあって、メチルチャビコール、フネトール、シトラールなどの香気成分が 入っている。夏の終わりごろ、いびつな長楕円形で長さ5cmくらいの袋果をつけ る。10月ごろ、袋果が熟して裂けると、赤い種子が白い糸によってたれ下がる。果実 をかむと辛みがあるところから、ヤマアララギまたはコブシハジカミの別名がある。
木材としては比重0.46前後。中程度の材。心材の耐久性は小。切削・加工は容易。表面 仕上は良好。心辺材の区別は認められず、共に淡黄白色で緑色を帯びており、材質はホオノキに似 ているので、その代用として用いられる。 ホオノキよりやや硬く、少し刃切れも悪い。 太いものは皮つきのまま(斑紋と灰色の樹皮を生かして)茶室の 床柱やタルキに使われる。アカマツのような派手さはないが、渋く自然な感じが、 風流人に好まれる。その他用途は漆器木地・裁板・俎板・図板・杓子・箸・鉛筆の軸木・マッチ 軸木・下駄・経木・ 印判。特に金銀研磨用の木炭。花からは生附子という薬品や染 料をとる。 病虫害はあまりなく、うどんこ病、斑点病、カイガラムシが出る程度で ある。
コブシの大木が満開になると、遠目には雪が積ったようで、木全体が真っ白におおわ れる。攻めてくる敵兵の白旗に見間違ったための悲劇もある。昔、壇 の浦で破れた 平家の落武者が、熊本の山奥に逃げ隠れたが、早春のある日、突然まわりの山々が源 氏の白旗が迫り、囲まれていると思い、全員自刃した 。白旗に見えたのはコブシの 花であった。その話のようにコブシの花は清純と凛とした美しさの中にもさびしさを 感じさせる花でもある。

花咲く前
上2枚 大阪府 万博公園 2006年2月27日 
コブシの蕾み
通勤途中 富田林市 2015年3月20日 
コブシの花
場所:井の頭恩賜公園/吉祥寺 RanRanさん撮影 2013年3月12日facebook投稿
大阪府 万博公園 2004年3月21日 
上3枚 通勤値途中 2006年3月4日 富田林市 
上2枚 通勤値途中 2006年3月20日 富田林市 
葉と実
コブシの実
上2枚 通勤途中 2013年6月27日
上2枚 通勤途中 2003年10月
樹形
この木に関する俳句こぶし