314.コウヤマキ (高野槇)

高野山のコウヤマキ 詳細画像あり)
解説
写真
コウヤマキ科 コウヤマキ:高野槇:Sciadopitys verticillata Sieb.et Zucc. 1属1種の日本特産の常緑針葉高木。名前の由来は紀州の高野山の木が特に有名であったので高野槇と名付けられた。 全国的な別名としてはホンマキ、マキ、くさまき、金松などがある。
(下記リスト参照)しかし、金松と書くのは誤りで、これは中国特産のイヌカラマツのことである。 通常樹高は20~30m。直径60~80cm。ときには樹高40m。直径100cmに及ぶものもある。福島県から宮崎県の山地にヒノキ、モミ、ツガ等と混交林をなしている。
木曽と高野山とに特に多いが、全体としての蓄積は少なく、木材市場で目につくことは少ない。 垂直分布は東北地方(500~650m),中部地方(280~1750m),近畿地方(200~1650m),中国地方(300~1500m),四国(300m~)。 樹形は狭円錐形で品格がある。自然に樹形が整い、老木になっても樹形が乱れないので、ヒマラヤシーダー(ヒマラヤスギ)、アロウカリアと共に世界3大美樹、あるいは世界三大庭園樹と呼ばれている。
神社や仏閣で大木となったものを見ることができるが、庭木として人気がある。
庭や玄関前の主木として植えられるほか、和風のみならず洋風の庭でもその美しさは際立つ。
樹木価格が高いが、3m未満の若木であっても鑑賞に耐えるため、イングリッシュガーデンでもよく合う。
耐陰性が強い、年間10~20cm と成長は遅く、特に幼苗期は伸びない。挿し木もできるが一般に実生で繁殖する。種子の発芽は悪い。病虫害の被害も少なく、あまり手のかからない樹木といえよう。
幕末の頃に日本に来たプラントハンターのR・フォーチュンも著書『江戸と北京』の中で、イギリスに導入したい樹木の一つであると高い評価を与えている。
開花時期は3月ぐらいで黄褐色の花をつける。葉は棒状で厚く、濃緑色で光沢がある。先がくぼんでいて2個ずつが輪生する。樹皮は暗紅褐色。スギに似ているが、やや暗黒色が強い。
木材としては心材は淡黄褐色、辺材は白色で境はややあきらか。年輪は細かいのが一般的でも波状になっていることもある。木理は通直で、肌目は精で、特有の香りとも臭気ともとれるものがある。
気乾比重は最大巾として0.35-0.50で平均は0.42程度。硬さは針葉樹の中では中位、保存性は中庸で、水や湿気には強いことが知られている。乾燥容易。切削などの加工は容易で、その仕上がりは中庸である。
用途は、非常に少なく特殊なものに利用されている。水湿に強いことを利用して風呂桶、飯櫃、流し板などがある。樹皮はマキハダと呼ばれて和船、桶などの隙間に充填材として使われていた。
また、古墳時代には棺材としてコウヤマキが使われ、朝鮮にまで運ばれていたことが判明した。
しかし現在ではインターネットの普及にともない、風呂用品として風呂桶、風呂椅子などで人気もでてきた。
コウヤマキの葉
上2枚 北海道大学植物園  2014年9月14日
写真 写真
コウヤマキの森 神戸森林植物園内
樹形

写真 コウヤマキの若木

樹皮

コウヤマキの樹皮

コウヤマキの空
コウヤマキの空
コウヤマキの樹冠
神戸市立森林植物園 2016年12月18日 撮影