339.ゲッケイジュ


解説
ゲッケイジュ(月桂樹)
クスノキ科。常緑高木。高さ10メートルほどにもなる。地中海沿岸原産地であり、日本には明治9年頃に入ってきたのが最初で、日露戦争(明治37年-38年)の戦勝記念で東郷平八郎により日比谷公園に植樹され、広まったのがきっかけとされている。庭木、公園樹としての利用のほか、葉に芳香があり、古代から葉は料理に、薬用には葉と実を利用している。葉にはシネオールと呼ばれる芳香成分が含まれ、葉を乾燥させたものをローリエ(フランス語)、ローレル(英語)、ベイリーフ(英語)などと呼び、香辛料として広く流通している。また、葉、実は、それぞれ月桂葉、月桂実という生薬名を持っている。葉っぱはやや先端がとがった長だ円形でやや厚めで革質、色は濃い緑である。枝や葉っぱは傷つけると樟脳を薄くしたような弱い香りがする。葉は乾燥させると甘い風味が出て、香りも強くなる。4-5月に枝にくっつくような感じで、緑色がかった黄白色の小さな花を咲かせる。花芽自体は前年の秋のうちにできて、肉眼で確認できる。雌雄異株であり、雌の木は花後に果実ができ、秋になると熟して黒に近い紫色になる。果実はタマゴ型で、絞るとローレルオイルが採れる。この木はギリシャ神話のアポロンとダフネの物語に由来し、ギリシャやローマ時代から神聖視された樹木の一つである。古代ギリシアでは葉のついた若枝を編んで「月桂冠」とし、勝利と栄光のシンボルとして勝者や優秀な者達、そして大詩人の頭に被せたのである。特に月桂冠を得た詩人は桂冠詩人と呼ばれている。

木材としては木理はかなり通直であるが、やや交錯するものもあり、肌目は中庸から荒いものまでいろいろある。 心材はさまざまな色があって、淡褐色から赤褐色。晴褐色の模様または黒色の條斑がある ため、美しい杢目が あらわれる。 辺材は淡色。比重は0.74-0.96。強靭で硬い良材。心材の 耐久性はやや大。切削・加工はぶつうの 通直木材では容易であるが、交錯木理の場合は困難。 表面仕上も良好。ただし、乾燥がやや困難なのが欠点。 個体差が大きい。
銘木としては、床柱、床廻り材、などに使用される。月桂冠に使う月桂樹とは全く別種。この属の木材は極めて種類が多く、ニューギニアなどから、ターミナリアの名で多くの樹種が輸入されている。

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大阪市大植物園4月9日撮影
樹形
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大阪市大植物園4月9日撮影