542.オウシュウアカマツ


解説
英名:Scots pine、Norway pine、Sylvester Pine、Sosna(ロシア)、(市場名:Red wood) シルベスター松、スコッチ・パイン、ノルウェイファー、ポーランドパイン、ヨーロッパアカマツ、ロシアアカマツ、サスナなどと呼ばれている。

分布
分布は非常に広く、ユーラシア大陸全域に生育し、寒帯で北緯37度から70度の間に分布し北限はノルウェー北部。このことは別名のように各地区の名がついていることからもわかる 。 オウシュウトウヒ(欧州唐檜、ドイツトウヒ学名:Picea abies)と同様にヨーロッパの代表的なマツ類のひとつである。ヨーロッパでは、針葉樹材の代表で最も広く用いられている市場材であろう。 ロシアから輸入された木材では、カラマツやエゾマツ・トドマツ類より少量であるので、 日本ての用途は杭丸太などになっている。
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樹木

高さ20~30m、直径50~70cm。大きいものほ樹高40m。直径100cmに達するものもある。樹形は丸みのある円錐形。 針葉は細長く5cm前後で、やや青みのある緑色、2本が一組になってつく。 長さ3cm~6cmで卵形の球果をつける。アカマツ (Pinus densiflora) より葉が短く、枝は直線的で主幹は太いです。
木材  性質には幅があり、例えばスカンジナビア産のものはシベリア産が成長遅く肌目の精な木材であるのに対し、より組織は粗く、比重もやや小さい。スウェーデン産のものは物理的性質がホワイトウッド とかなり似ている。
輸入されている丸太のなかには、日本でもかつて見ることが出来たアカマツのような、通直で直径の太いものが多数ある。 材質は日本のアカマツとほとんど同じで材質が良く構造用材として適している。
肌目の粗い木材で、木理はほぼ通直である。やや脂っぽく、節がいくらかある。早材から晩材へがけての移行は急で、年輪ははっきりとしている。やや軽軟材。
ナラやブナなどの広葉樹材と比べると軽いが、気乾比重0.37~0.45(平均値)~0.63と針葉樹材としては中庸の重さ、ホワイ トウッドよりもやや重い。 軸方向細胞間道(樹脂道)があり、材面に“やに"が滲み出てくる。このため、一般的には表面に出るような用途には向かない。
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加工性 
乾燥は容易で、良好で、乾燥後の利用は安定している。重さのわりに強く、加工は容易で、仕上がりは普通。耐朽性、耐久性は低~中庸。 色は心材が赤褐色~黄赤色で辺材が淡黄色~淡黄白色で、一般に日本のアカマツより濃色である。
用途
一般建築用材、造船用材等として使われるほか、建具、家具、造作材、箱、船舶材,杭などの土木材,電柱、梱包材など。杭木、電柱などアカマツと同様な用途があるが、大径で形質がよいので、より高く評価される。良質のものは指物や特殊家具に。パルプ用材(とくに包装用紙用)としても重要な木材で、合板への利用も増えている。保存処理をして、鉄道の枕木や電柱などにも使われる。樹木は公園樹、街路樹、盆栽、シンボルツリー、クリスマスツリーなどに、エキスを抽出されたものはアロマに利用されている。
レッドウッド
日本への輸入が 増加しており、欧米の市場名「レッドウッド」として流通している。 心材が赤褐色~黄赤色でレッドウッドと呼ばれるのはそのためである。しかし米国産のレッドウッドては別種。以前はレッドウッドと言えば米国産の木材を指していた。 また、レッドウッド(欧州アカマツ)に対しスプルースのような淡色の木材をホワイトウッドと呼んで取扱うことが多い。

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植林 ヨーロッパ各地で低地から山地まで広く分布しているが、過剰伐採により絶滅した地域が多数ある。そのため植林も盛んで、スコットランドでは古くから植林され、 北欧でも植林の代表的樹種の一つで(過去にはタールの抽出に利用されたこともある)、北海道でも各地に植えられている。アメリカではクリスマスツリーとしても植栽されいる。 日本のスギと同様に過去の無計画な植林が問題となっている。 分布域と僅かな形態の違いにより学名では変種をもうけている
Pinus sylvestris var. sylvestris.  生育地 スコットランドとスペインから中部シベリアまで
Pinus sylvestris var. hamata 、 生育地 バルカン半島と北トルコ、コーカサス地域
Pinus sylvestris var. mongolica 、 生育地 モ ンゴルと南シベリア、北西部中国中心の地域
Pinus sylvestris var. nevadensis、 生育地 南スペインのシエラネバダ山脈地域
巨樹
フィンランドのロシアとの国境地帯ラップランド(Lapland)地方で、樹齢780年の木が2006年発見されている。フィンランド国内で確認された仲間の木の中で、これまでで最も樹齢が長い。フィンランドは国土の7割を森林が占めるが、北部のロシア国境付近には特に深い原生林が広がっている。
木材性質とレッドリスト
木材性質とレッドリスト http://www.woodstar.biz/sn/scientific-685.html

写真

幹、樹皮
上2枚 北海道大学植物園 2014年9月14日撮影
葉と松かさ
上2枚 北海道大学植物園 2014年9月14日撮影