0986.サンシュユ
解説
山茱萸 分類:ミズキ科ミズキ属 別名ハルコガネバナ、アキサンゴ
中国と朝鮮半島の原産。
宰保七年(1722年)に薬用として日本へ渡来した。
今日では鑑賞用として栽植される落葉高木で、通常4mから最大10m前後の高
さになる。
幹の太さは直径30cm以上になることもあり、単幹、または双幹、
枝はやや斜め横に広がる。
樹皮は褐色で薄片になって剥がれる特長がある。
また葉は互生し長さ4~10㎝
の長卵形、裏面葉脈の主脈と支脈の合点に黄褐色の毛、髪の色で言えばブルネ
ットの刺毛(しもう)がある。
同属のミズキ、ハナミズキなどと葉はよく似るが、この刺毛はサンシュユだけ
の特徴である。
あまり花のない早春の時期に、葉より先に黄金色で4枚の花弁をもった小さな
花を、束にしたように多数つけることからハルコガネバナの別名がある。
花の
可愛らしい樹木と表現できる。
また秋に長さ1.4cmほどの楕円体の果実を結ぶ。
秋の果実が赤く美しいことから、
アキサンゴとも呼ばれる。
赤紫色に熟し、かむと、渋味、甘酸っぱい味がする。
果実を熱湯にさらした後、ざるにあげて半乾きの時点で種子を取り除き、果肉
だけを日干しにする。
これを山茱萸と呼ぶ。
熟した実は果実酒の材料になると
ともに、漢方ではこの実を乾燥させたものが、食欲増進、健胃整腸、下熱に効
くとして、八味地黄丸、六味丸などに配合される。
宮崎県椎葉の民謡の『稗拘節(ひえつきぶし)』にうたわれる、“庭の山しゅの
木‥・”というのが、この木であるといわれている。
『稗拍節』は源平時代の
悲恋物語であり、源平の時代は1100年前後である。
渡来の宰保七年(1722年)
と年代が合わないことから、おそらく「庭の山しゅの木」というのは、ミカン
科の山椒(サンショウ)であろう。
花
実
葉

枝
神戸森林植物園 2000年4月30日撮影
樹形

サンシュの大木 神戸森林植物園 2000年4月30日撮影