v2.8

平井信二先生の樹木、木材研究

コバノバラッシノキ属の樹木
50.Melaleuca cardiophylla F.MUELLER
 Melaleuca cardiophylla F.MUELLERはオーストラリア南部に生ずる常緑木本である。  
51.Melaleuca gibbosa LABILLARDIERE
 Melaleuca gibbosa LABILLARDIEREはオーストラリアのビクトリア西南部、南オーストラリア南部、タスマニアの湿性地に生ずる。英名をslender honey myrtleという。
 高さ1~2mの常緑低木である。葉は十字対生して群着し、卵形で長さ0.2~0.5cm、幅0.1~0.3cm、上面で凹み下面で中肋が竜骨状となり、葉質は厚い。花はほとんど球形で短いいわゆる花序になって群着し、花糸は淡紅紫色を呈する。さく(蒴)果は残存 して、花序軸が肥大生長して木質部分にやや埋まる状態となる。
 
52.Melaleuca halmaturorum F.MUELLER ex MIQUEL
 Melaleuca halmaturorum F.MUELLER ex MIQUEL(異名Melaleuca pustulata BENTHAM)はオーストラリアのビクトリア西部、南オーストラリア南部産で、沿海地域の泥質含塩地に生ずる。英名をSouth Austraian swamp paperbark、dotted paperbarkという。
 高さ3~8mの常緑低木ないし小高木で、低い処から分枝が多く、樹幹はふつう節くれだっている。樹皮は紙質、白色である。葉は十字対生してやや群着し、長さ0.3~0.8cm、幅約0.1cm、鈍頭を示す。質は厚く、鈍い緑色を呈する。花はいわゆる頭状花序 ないし短い穂状花序につき、花糸は白色を呈する。さく(蒴)果は径約0.4cmで、少数が群着する。地表近くから密に分枝するものは乾燥地域の防風植栽に用いられる。  
53.Melaleuca acuminata F.MUELLER
 Melaleuca acuminata F.MUELLERはオーストラリアのビクトリア西北部、南オーストラリア南部の開放地に生じ、英名でmallee honey myrtle、creamy honey myrtleという。
 高さ1~2mの常緑低木で、ときにはもっと小さい。樹皮は粗で、枝は細い。葉は対生して、枝端近くに群着し、長さ0.5~1.3cm、幅0.1~0.3cmで小さく、やや曲がった鋭尖頭となる。基部も狭る。やや薄質で、両面無毛、下面に黒色の腺点を布く。
 花は有葉で長さ約6cmの前年枝に3~5個ずつが不規則に間隔をおいてつく。花糸は淡黄白色を呈する。さく(蒴)果は卵形で小さく、木質で不規則に枝上に群着する。  
54.Melaleuca neglecta EWART et B.WOOD
 Melaleuca neglecta EWART et B.WOOD(異名Melaleuca oraria BLACK)はオーストラリアのビクトリア西部、南オーストラリア南部のおもに乾燥性のヒース低木林(mallee)に生ずる。英名をmallee honey myrtla、woodland honey myrtle、honey myrtlaという。
 高さ2.5mほどの常緑低木で、耐塩性がある。樹皮は粗なコルク質である。葉は群着し、しばしば対になるが十字対生ではない。やや直生する。長さ0.3~0.5cm、幅0.1cmで、鈍頭、質は厚く、下面に粒状腺点を散生する。花は前年枝に不規則に群着して つき、雄ずい束の長さの1/3は扁平な柄部で、これから花糸が扇状にわかれ、白色を呈する。さく(蒴)果は杯形で径は0.4cmまで、外面にいぼ状突起をもつ。  
55.Melaleuca wilsonii F.MUELLER
 Melaleuca wilsonii F.MUELLERはオーストラリアのビクトリア西部、南オーストラリア南部のmallee低木林に生ずる。英名をviolet honey myrtle、rosy honey myrtleという。
 高さ1~2mのブッシュ状のこわい常緑低木で、樹形に変化が多く、無毛または僅かに有毛である。葉は対生し、線形で長さ0.6~1.5cm、幅0.1~0.2cm、鋭尖頭を示す。質は硬く、上面で僅かに凹面となる。
 花は古い枝の葉腋に単出または束出するいわゆる頭状花序になり、また長さ5~7.5cmのいわゆる穂状花序になるものもある。5個の雄ずい束は柄部が長く伸び、その周縁から10~15個の花糸がわかれて開出する。雄ずい束の長さは12mmほどある。花糸は 淡紅紫色を呈する。さく(蒴)果は不規則に集まって凹凸ある塊状となる。各果実の上縁に短いがく裂片が木質になって残存している。
 
56.ムラサキブラッシノキ
 ムラサキブラッシノキタガイバブラッシノキMelaleuca decussata R.BROWNはオーストラリアのビクトリア、南オーストラリア産で、湿性地に生ずる。英名をtotem poles、lilac melaleuca、独名をkreuzblattrige Myrtenheideという。
 高さ2~6mの常緑の通常低木である。枝はやや下垂する傾向があり、若枝は緑色で光沢をもつ。葉は十字対生して密集し、皮針形から長楕円形、卵状皮針形を呈し、長さ0.4~1.5cm、幅0.1~0.3cm、基部は狭い。上面で凹み、鈍い緑色、暗緑色を呈し、下 面に腺点をもつ。
 枝端または枝端近くに長さ2~2.5cmの球形ないし円筒形のいわゆる頭状花序ないし穂状花序をつける。花糸は紫色、紅紫色を呈するが、間もなくやや褪色する。花糸は10~15個ずつが基部近くで合着して、5個の雄ずい束になる。さく(蒴)果の基部は 花序軸の肥大生長した組織に包まれて埋まるようになり、彫刻されたtotem poleの様相を見せる。樹は耐寒性があって観賞用に植栽される。  
57.Melaleuca bracteata F.MUELLER
 Melaleuca bracteata F.MUELLERは南オーストリアに生ずる常緑木本で、やや内陸性である。年間のある時期に浸水する処のものは、ふつう樹幹の種々の高さから不定根を出しその径は1~2cmとなる。樹皮は暗灰色を呈し、緻密で割れ目が入る。葉は互生し、Melaleuca lanceolata OTTOに似ているが、無柄であることで区別される。
 葉の抽出成分に植物の生長抑制作用があることをが知られている。精油は水より重く、主な成分はメチール・オイゲノールである。またエレミシン(elemicine)とメチール・イソオイゲノールをそれぞれ多くもつ化学的品種がある。これらは香料、殺菌 剤、防腐剤などの製造に用いられる。  
58.Melaleuca glomerata F.MUELLER
 Melaleuca glomerata F.MUELLERは南オーストラリアに生ずる常緑木本である。樹皮は白色を呈し、葉は互生して無柄である。  
59.Melaleuca pauperiflora F.MUELLER
 Melaleuca pauperiflora F.MUELLERは南オーストラリア南部から西オーストラリアにかけてのmallee低木林に生じ、英名をhoney myrtleという。
 高さ1~5mの常緑の低木で、地表近くから密に分枝する。樹皮は灰色を呈し、紙質でルーズである。葉は互生して開出し、やや円柱状で長さ0.4~0.6cm、幅0.1cm、上面に浅い溝がある。3~8個の花をつける小さいいわゆる頭状花序を頂生する。花糸は白 色を呈する。さく(蒴)果は小数個が群着し、球形で径.4~0.5cm、平滑である。樹は乾燥地域の防風植栽に用いられる。  
60.Meleuca acacioides F.MUELLER
 Meleuca acacioides F.MUELLERは西オーストラリアの東北部に生ずる常緑木本である。葉の抽出成分に植物の生長抑制作用があることかが知られている。  
61.Melaleuca cuticularis LABILLARDIERE
 Melaleuca cuticularis LABILLARDIEREは西オーストラリアに生じ、塩水湖、河口に特徴的な常緑木本である。英名をsaltwater paperbarkという。  
62. ヒロハブラッシノキ
 ヒロハブラッシノキMelaleuca elliptica LABILLARDIEREは西オーストラリアに生じ、英名をgranite honey myrtleという。高さ3~4mの常緑低木ないし小高木で、よく分枝する。葉は互生して、長楕円形、長さ約1cmで、鈍頭を呈する。いわゆる花序は長さ約8cmで、花糸は紅色である。  
63.Melaleuca fulgens R.BROWN
 Melaleuca fulgens R.BROWNは西オーストラリアに生じ、英名をscarlet honey myrtleという。高さ1.5m、樹冠径1.5mまたは以上となる上緑低木で、無毛である。葉は多くは対生し、線形ないし皮針形で長さ2~3cm、幅0.15~0.2cm、尖頭、上面側に凹む。暗色の腺点がある。いわゆる穂状花序の部分は長さ3.5~7cmで、花糸は深紅 色を呈するが、また桃紅色の系統もある。雄ずい束の長さは約30mmである。  
64.ヒューゲルブラッシノキ
 ヒューゲルブラッシノキMelaleuca huegelii ENDLICHERは西オーストラリアに生じ、独名はHugelsche Myrtenheideという。
 高さ1.5~5mの常緑低木で、ほとんど無毛である。葉は互生して枝茎に圧着し、卵形から皮針形で長さ0.3~0.8cm、尖頭をもつ。縦脉が3~7本ある。
 狭い円筒形で長さ2.5~15cm、幅2.5cmほどのいわゆる穂状花序をつける。蕾の下半分は淡紅色を帯びるが、開くと白色となる。雄ずいは7~11個ずつが5個の雄ずい束になる。花序軸は開花の前にも生長を続けている。さく(蒴)果はほぼ球形で、基 部が広く、花序軸の肥大生長で包まれるようになる。樹は観賞用に植栽される。  
65.Melaleuca incana R.BROWN
 Melaleuca incana R.BROWNは西オーストラリアに生じ、英名をgrey honey myrtle、silver-grey myrtleという。
 高さ3mになる常緑低木で、枝は下垂する。葉は細い皮針形で長さ1.5cmほど、有毛で灰色を呈する。いわゆる花序は長さ3cmで、花糸は黄白色である。  
66.Melaleuca preissana SCHAUER
 Melaleuca preissana SCHAUER(異名Melaleuca parviflora LINDLEY、non OTTO)は西オーストラリア西南部の沿海地域に生ずる。英名をPreiss's paperbark、中国南部で植栽されたものは細花白千層、小花白千層という。
 高さ9~13m、直径1mまでになる常緑の小~中高木である。樹幹の形質は不良で比較的低い処から太い枝を出し、樹皮は灰色を呈して厚く5cm以上にもなり、大きい裂片で剥がれる。若枝は有毛である。葉は互生して群着し、開出する。線状皮針形から長 楕円状皮針形で長さ0.8~1.6cm、幅0.1~0.5cm、鋭尖頭、基部は鈍形を示す。硬い革質で、3~9本の縦脉が走る。無柄である。
 長さ3~7.5cmのいわゆる穂状花序を頂生し、しばしば3~5分枝する。花序軸には軟毛があり、各花に線形で長さ3mmの小苞をつける。がく筒は卵形でながさ2mm、白毛を被り、がく裂片は卵形できわめて短小である。花弁は円形に近く、幅約2mmである。
 雄ずいは5個の束になり、長さ約6mmで、花糸は白色を呈する。雌ずいの花柱はやや超出する。さく(蒴)果はほぼ球形から倒卵形で幅0.25~0.4cm、基部は狭くなり、頂端の開口は狭くて弁片は下方に沈んでいる。がくが硬い冠状物になって残存する。果 実は2年またはそれ以上ついたままで残る。
 材の気乾比重に0.87の記載がある。樹は庭園樹、行道樹に植栽される。  
67.Melaleuca pulchella R.BROWN
 Melaleuca pulchella R.BROWNは西オーストラリアに生じ、英名をclaw flowerという。高さ0.7mの常緑低木で、枝は地表にまで下垂し、樹冠の径は1.5mとなる。葉は密に互生して4列につき、長さ0.5cmほどである。小枝は先端近くで径1.5cmのいわゆる花序となり、花糸は緋紅色を呈する。雄ずい束5個は包みこむように内側 に湾曲する。  
68.Melaleuca radula LINDLEY
 Melaleuca radula LINDLEYは西オーストラリアに生ずる常緑木本で、英名をgraceful honey myrtleという。  
69.Melaleuca scabra R.BROWN
 Melaleuca scabra R.BROWNは西オーストラリアに生じ、英名をrough honey myrtleという。高さ約1mの常緑低木で、樹形に変化が多い。葉は円柱状で長さ2.5cmほどである。花は集まってつき、花糸は桃紫色を呈する。
70.Melaleuca steedmanii C.GARDNER 
   Melaleuca steedmanii C.GARDNERは西オーストラリアに生ずる。高さ1.5mほど、樹冠径1mの常緑低木である。葉は長楕円形で長さ3cm、灰緑色を呈する。花はやや大きい短いブラッシ状のいわゆる花序につき、花糸は紅色を呈する。  
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