v2.3

平井信二先生の樹木、木材研究

モクセイ属の樹木(その3)
7.中国地域産のモクセイ属の樹木(Ⅰ)
 (11)Osmanthus minor P.S.GREENは支那中部・南部産で、中国名は小葉月桂という。
 高さ3~5mまれに10mまでになる常緑低木~小高木で、樹皮は片状になって剥脱する。葉は長楕円形、長倒卵形などで、長さ4.5~9cm、幅1.5~3.5cm、鋭尖頭でときに尾状となり、基部は狭い楔形、全緑、側脉は6~8対ある。革質または厚い革質で、両面 に腺点がある。葉柄の長さは1~1.5cmで無毛である。
 5~6月に開花して、長さ約2mmの花梗をもつ花の8~12個が集散状をなし、これが複成した短小な円錐花序になって腋性する。花序軸は細軟毛があり、包と小包をつける。がくは長さ1~1.5mm、4裂片をつける。花冠は白色で、筒部の長さは1.5~2mm、4裂 片はそれとほぼ同長である。雄花では雄ずい2個が花冠筒部の上方につき、退化雌ずい1個は小さな円形の突起となっている。石果は楕円形または倒卵形で長さ1.5~2cm、10~11月に熟して黒色となる。
(12)Osmanthus pubipedicellatus CHIA ex H.T.CHANGは支那広東省産で、中国名は毛柄木犀という。
 高さ約3mの常緑低木で、小枝は灰黄色、幼枝に細軟毛を布く。葉はおもに長楕円形で長さ6.5~9cm、幅2~3cm、長い鋭尖頭、基部は狭い楔形、全緑、側脉は6~7対ある。厚い革質で、両面無毛である。葉柄の長さは1.2~1.5cm、最長1.8cmまでで、ふ つう細軟毛がある。
 9月に開花し、長さ3~5mmの花梗をもつ花が約5個やや集散状に束生し、これが1~2個ずつ葉腋につく。長さ2.5~3mmの包をつける。がくは長さ約1.5mmで、4裂片のうち2個は大きく2個は小さい。花冠は白色で芳香がある。筒部の長さは約1mm、4裂片の長 さは約1.5mmである。雄花では雄ずい2個が花冠筒部の基部につき、花糸の長さは約0.5mm、葯の長さは約1mm、葯隔は伸びて明瞭な三角形の小尖頭をなす。ほかに長さ約1mmの退化子房がある。果実は知れれていない。
(13)Osmanthus reticulatus P.S.GREENは支那中部・南部産で、中国名を網脉木犀という。
 高さ3~12mの常緑低木~小高木で、小枝は黄白色を呈する。葉は楕円形または狭卵形で長さ6~9cm、幅2~3.5cm、尾状鋭尖頭、基部は円形~楔形、全縁または両縁に各15、多くて30個までの尖頭の鋸歯がある。側脉は6~12対あって、細脉とともに網状 をなし両面に隆起する。革質で、ほぼ無毛、両面にきわめて明瞭な腺点をもつ。葉柄の長さは0.5~2cmで無毛である。
 10~11月に開花し、花は葉腋に束生し、長さ2~3mmの包をもち、花梗の長さは3~5㎜まれに7~8mmまであり無毛である。がくは長さ約1mmで、大小不同の短い4裂片がある。花冠は白色で長さ3.3~4mm、筒部は4裂片よりやや長い。雄ずい2個は花冠筒 部の中位につき、花糸の長さは約1mm、葯の長さは1~1.5mm、葯隔は伸びて明瞭な小尖頭となる。雌花の雌ずい1個は長さ約2mmで、子房は円錐形、花柱の長さは約0.8㎜で、柱頭は頭状、浅く2裂する。石果は長さ約1cmで、翌年5~6月に熟して紫黒色を呈す る。
(14)Osmanthus serrulatus REHDERは支那南部産で、中国名は短絲木犀という。常緑の低木~小高木で、高さ2~4m、最高8mまでとなる。小枝は灰黄色、無毛、まれに細軟毛がある。葉は倒卵状楕円形などで長さ6~14cm、幅2~4.5cm、尾状鋭尖頭で先端は小尖頭をなし、基部は楔形で ある。縁にふつう疎い刺状の鋸歯があるが、また上半部のみが僅かに鋸歯をもつものから、まれに全縁のものまである。側脉は8~12対、革質で、両面に腺点をもつ。葉柄の長さは0.8~1cmで無毛、または上面の溝に細軟毛がある。
 春に開花し、花は葉腋に4~9個が束生し芳香がある。花梗の長さは10~20mmで繊細、無毛、包を具える。がくは長さ約1mmで4裂し、花冠は白色で長さ3~5mm、筒部はきわめて短く、深裂する4裂片がある。雄ずい2個は花冠裂片の基部につき、花糸は短く 0.5~1mm、葯の長さは約2mmである。葯隔は伸びて1個の小さい尖頭をなす。雌ずい1個があり、子房の長さは約1.5mm、花柱の長さは約1mm、柱頭は頭状でやや2裂する。石果は楕円形で長さ1~1.5cm、熟して青黒色を呈する。
(15)Osmanthus urceolatus P.S.GREENは支那湖北・四川省などの産で、中国名を檀花木犀という。
 高さ3mまでの常緑低木で、小枝は灰白色を呈し細軟毛を密布する。葉は楕円形または長楕円形で長さ4~9cm、幅1~3.5cm、やや尾状となる長い鋭尖頭、基部は広い楔形など、両縁に各10~15個のきわめて微細な鋸歯をもつが、基部では全縁に近くなる。
 側脉は6~7対ある。薄い革質で、両面ともほぼ無毛、腺点をもつ。葉柄の長さは1~1.5cmで細軟毛がある。
 10月に開花し、花は3~4個が葉腋に束生する。長さ2~3mmで外側に細軟毛を布く、包を具え、花梗の長さは5~10mmで無毛である。がくは長さ約1mmで、大小不同の4裂片がある。花冠は口が開いた壷形で長さ5~7mm、4裂片は広い三角形で長さ1~1.5m mある。雄ずい2個は花冠筒部の下半につき、花糸の長さは約1mm、葯の長さは約2mm、葯隔は伸びて、円形の小突起となる。雌ずい1個は長さ約3.5mm、花柱の長さ約1.5mmで、柱頭は頭状を呈する。果実は知られていない。
(16)Osmanthus venosus PAMPANINI(異名Siphosmanthus venosus KNOBLAUCH)は支那湖北省産で、中国名を毛木犀、毛桂花という。
 高さ2~10mの常緑低木~小高木で、小枝は灰色、細軟毛がある。葉は長楕円形、皮針形または倒皮針形で長さ4.5~14cm、幅1.5~4cm、鋭尖頭、基部は鈍形~楔形、全縁または僅かに両縁の中部に各3~4対の牙歯状の鋸歯があり、まれに全体が鋸歯縁と なる。側脉は9~11対あり、革質で、ほとんど無毛、両面に腺点をもつ。葉柄の長さは1~1.5cmで細軟毛がある。
 8~9月に開花し、花は4~10個が葉腋に束生し、長さ約2.5mmの包を伴う。花梗の長さは3~8mmで無毛である。がくは長さ1~1.5mmで、大小不同の4裂片がある。花冠は白色で芳香をもつ。筒部の長さは約2.5mm、4裂片の長さは約2mm、雄ずい2個は花冠筒部 の中位につく。花糸の長さは0.5~1mm、葯の長さは約2mmで、葯隔は伸びて大きい円形の突起となる。雌ずい1個は長さ約3mm、花柱の長さは約1.5mmで、柱頭は頭状をなす。果実は知られていない。
(17)Osmanthus yunnanensis P.S.GREEN(異名Osmanthus forrestii REHDER、Osmathus rehderianus HANDEL-MAZZETTI)は支那西南部、チベット産で、中国名を野桂花、雲南桂花、■柱という。
 常緑の低木~小高木で、高さ3~6m、ときに10mまでになる。樹皮は灰色を呈し、小枝は淡黄褐色または灰白色で平滑、幼時は細軟毛がある。葉は卵状皮針形または楕円形で、長さ8~14cm、幅2.5~4cm、鋭尖頭、基部は広楔形から円形、全縁または尖歯 状の鋸歯がでる。側脉は10~12対、革質で両面に腺点がある。葉柄の長さは0.6~1.5cmで無毛、まれに有毛である。
 春に開花し、花は葉腋に5~12個が束生する。花梗の長さは約10mmで無毛、長さ2~4mmの大きい包を具える。がくは長さ約1mmで、4裂片があるがきわめて短い。花冠は黄白色で芳香があり、長さは約5mm、筒状部はきわめて短く、4裂片は花冠の基部近く まで深裂する。雄花の雄ずい2個の花糸は長さ約1.5mmで、花冠裂片の基部につく。葯の長さは約2.5mmで、葯隔が伸びてきわめて小さい突起になる。雌花の雌ずいは1個で長さ約3.5mm、花柱の長さ1~1.5㎜である。果実は長卵形で長さ1~1.5cm、熟して紫黒 色を呈する。 
8.アメリカヒイラギ
 アメリカヒイラギOsmanthus americanus A.GRAYはアメリカ東南部産で、英名をdevilwood、white olive、wild olive、American olove、Florida oliveという。
 高15mまで、直径30cmとなる低木または高木で、樹皮は淡紅褐色を呈する。葉は皮針状長楕円形~倒卵形で長さ5~18cm、鋭頭~鈍頭、まれに短凸頭、基部は楔形、全縁、革質で光沢がある。葉柄の長さは1~2cmである。
 4~5月に開花し、花は腋生する短い円錐花序につく。ややくすんだ白色で芳香があり、花冠は筒部と4裂片とからなる。石果は卵形で長1~1.5cm、熟して暗紫色を呈する。
 材は淡褐色を呈し、肌目は緻密で、重硬である。強靭であるが市場性はほとんどない。 平井先生の樹木木材紹介TOPに戻る