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神谷のインドネシア点描

南カリマンタンの地方紙 バンジャルマシンポスト紙の最新記事。

南カリ労働省支局の発表では3月末までに25000人の木材業界労働者が職を失うとしております。
理由は原料の入手難です。
少なくとも9社、合計25000人の職が今失われております。
9社の具体的社名は明らかにされておりませんが少なくともヘンドラトナ社、アストラビナ社、グヌンメランティー社は従業員を 自宅待機にしております。
その他に既に倒産してしまったかもしくは給料が払えなくなってしまった会社としてコデコ社、 KAWI DAN KANTAN PRIMAPERMAI社が挙げられます。
理由は警察等による違法伐採の取り締まりにより原料が入って来なくなったものです。
書類の完備している原木も完備していない原木も一様に入って来ません。
臨検を理由に全て差し押さえをされてしまっているからです。
これは林区所有者に対しても、そこから材を購入している業者に対しても同様に実施されております。
このような大量の失業者が出ますと彼等の状況を救うことが出来なくなります。
退職金も出ないでしょうし、失業保険も出ません。
バンジャルマシン地区における状況は悪くなるばかりです。
操短以外に従業員の自宅待機、更には人件費負担を減らすために早期退職を促す会社も出ております。
余り一般的でない早期退職制度を使ってバリトパシフィック社は既に500人の人員整理をしております。
バリト社によると2006年うちに会社の体力に合わせるために1500人の人員削減を予定しているそうです。
ヘンドラトナ社は原木不足を理由に全ての従業員を自宅待機、スルヤサトリア社もこれに続くそうです。
バンジャルマシンポスト紙が入手した情報によればダヤサクティ社も中間管理職以下の月給社員を自宅待機にし、工場従業員は 従業時間を短くして週5日の操業を確保しております。
南カリ林野局長プラトノ氏によれば、このような悪状況は差し押さえ材の処理が終われば、ミニマイズ出来るとしております。
グヌンメランティー社の従業員500人が労働省支局を訪れそして南カリ州知事庁舎へデモを掛けて3ヶ月分の給料と 半分しか支払われていない12月分の未払いを払うよう同社を訴えました。
20人の従業員代表とグヌンメランティー社の経営陣が会談の上3月31日に75%の給料を支払う事を条件に自宅待機に従う旨 双方が合意に達し署名いたしました。
警察発表によりますと、現在数千本にのぼる原木が検数中です。
結果はまだ出ておりません。
これ以外にも数多いバージや筏が検数待ちです。
『いつ臨検を終えられるのか』、との問いに警察高官は『今臨検中なのでそんなことは判らない、終わるのを待ちなさい』 と答えておりました。
『本数と原木ナンバーが書類と一致してもまだ終わらない。
 材積を調べてこれが書類と一致するかも調査する』 『これ以上の疑いを持たれないためには、ロッグポンドに材を 戻してこれを一本一本一緒に調べれば良いではないか』 そしてこの調査実績が書類と合わなければ召喚を掛けることとなります。
(小職のコメント・・・ここからが話の裏) 警察がやっている臨検を悪いとは申しませんが、その速度が極めて低く、その為に材不足を起して多くの木材メーカーが 操業不能に陥り、従業員解雇にまで至っていることを、これら警察、林野官僚は知っているのでしょうか? (臨検を嫌って添付写真のごとく工場を貸し出す業者も増えて おります。
) このような状況を知っていながらこのような臨検をこれからも行うのでしょうか? 方向は正しくとも結果は木材業界の足を引っ張るブレーキと化しておりますでしょうに。
痛みを知らない輩は困ります。
添付のごとき日本の動きもこの状況現出に一役買うことにならなければよいのですが…。
『違法伐採対策が進む呼び水』…どころか、汚職が進む呼び水と化しましょう。
『手さぐりだが,まず一歩を踏み出したい』…日本では取り敢えずの一歩でしょうが、インドネシアではその一歩が 南洋材最大生産地木材業界の崩壊序章となるのです。
『角を矯めて、牛を殺す!!!』
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