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松を生かす 土と陶の工房

大阪・八尾の地に新しい文化の発信基地

リーリルハウス・セミナー「美乃里」完成見学会

日本の住まいの文化の向上をめざし、これからの住まい づくりを施主と一緒に考え、実践している「リーリルハ ウス」(冨田晴美代表)が、第37回セミナーとして4月 27日、会員の村尾氏夫妻の松の木をふんだんに使った土 と陶の工房・美乃里の完成見学会を行った。
登り窯をイメージした小屋組の松を生かす
美乃里は、八尾市新家町に陶芸教室を中心に作 られた工房。
元はのどかな田園地帯だったが、開 発がすすむにつれて地域性が薄れて行くことに寂 しさを覚えた村尾夫妻が、通りに面した細長い土 地を活かしたいと考えたことに始まっている。
村尾さんが建築を要請したのが関西で注目され ている建築家のひとり竹原義二氏(無有建築工房)。
「リーリルハウス」はそれを応援する形をとった。
村尾氏から託されたのは「文化の発信基地となる ような建物を」であった。
竹原氏が「話から1年が勝負だった」と語るよ うに、図面づくりの前に、何にしようかの構想の 練り上げがあった。
「何か文化を生むものを」と いう夢と、施主の本物志向と陶芸の心得があるこ と、細長い土地を生かすこと、先祖からの土地を 次代に残し、その子供達が想いを入れられる建物、 これが建築のための条件であり、それをどう形に するかは建築家の真骨頂が問われるところであった。
そこから作り上げられた構想が、「全体計画と しては、道路よりアプローチされ、手前に陶芸教 室の棟、その先に施主の居住棟という構成。
工房 の棟は、形態的には登り窯のように、露出された 小屋組の架構が、125度のゆるやかな曲面を持った 屋根を構成している。
そして土間には土、屋根には 七寸の大型丸瓦が葺かれており、建築の用途的性格
は、形態や構築されている細部の素材にまで反映さ れている。
その空間は内部に誘われながら、その視 野に流動的な動きを与えることにより、見え隠れ するヴォリュームが、その奥行きをより深く感じ させている。
人々はこの力強い空間を感じながら、 それぞれの想いを土に込めて行くであろう。
陶芸と いう文化によって施主の夢は今現実のものとなろう としている。
」と竹原氏は記している。

その通り、間口13m、奥行100m、延床面積約 470m、建築面積約406mの建物は、筋交いが一本も ない自立柱で、集成材を使わず、山陰・出雲の地松 だけを使った工房である。
一本一本の独立した長さ の違う掘っ立て柱36本が立ち、その上にゆるやかな 孤を描いた屋根がある。
天井の中心には太い松の背 骨梁がこの建物を象徴するように通り、コンクリー トの遮断壁の向こうを垣間見させるように走り抜け ている。
建築家と施主の想いが凄い迫力で伝わって くる造りであり、それを造り上げた大工さんの腕も 素晴らしい。
竹原氏は、水平のない「頬枝工法」という新しい 軸組みの工法を用い、空間の自由度と一体性を生み、 外からの光と風を多彩に取り入れることで、建って いる建築物が、自然の中で動いている感覚を抱ける ようにし、使う人が愛着を持ち、見る人も愛着を感 じてもらえるようにと語っている。
ひとつの建物を通して文化を生み、発信したいと の想いから、建築中もフェンスを立てず、看板もあ げず、通る人からその姿が見えるようにし、見る毎 に段々わかってくるが、「?・・・」を持ち、見る 人がイメージを膨らませるよう意図したという。
この種の建物としては日本一の規模というこの美 乃里には、クラッシック音楽サロン、ホール、テラ ス、陶芸教室、アトリエ、ギャラリーがあり、どの 場所に腰を据えてもそれぞれに、松の小屋組架構の 空間、取り込まれる光と風、夕方からのライトの光 で趣を味わい、一日の変化を楽しむことができる造 りとなっている。
陶芸を体験し、焼き上がりを待つ間の音楽と歓談、 仕上げ後でサロンでワインを傾け、時間を忘れる一 日を体験できる工房で、新しい文化の発信基地の誕 生となった。

「住」をキーワードにプロの頭脳集団を結集

リーリルハウスは、5年前に「リーリルハウス友 の会」として大阪市内(現在は奈良市に移転)で発 足し、一級建築士、インテリアのプランナー・デザ イナー・コーディネーター、弁護士、司法書士、公 認会計士、税理士、不動産鑑定士、ファイナンシャ ルプランナーなど、住まいづくりに関連する各職種 のプロ50人の頭脳集団をメンバーとして登録してい る。
そして家づくり等を考える一般の人々を会員と して迎え、家づくりやライフプランのプロデュース をするトータルな住まいづくりのネットワークであ る。
そして一方で、会員を中心に3ヶ月に1回のセミナ ーを開催し、住まいづくりと住まいの文化の向上を めざしている。
今回を含め37回のセミナーが行われ ているが、その内容は多岐にわたっており、快適住 宅・健康住宅づくりや敷地条件・コストとの関係、 環境問題、ライフプランやリフォーム等の研修、現 地見学会を行っている。
  「家づくりは出会い、温かい家づくり」(冨田代 表)という基本的な考えの下で、施工を希望する会 員のカウンセリングをライフプロデューサーの冨田 代表が行う。
そして会員の要望に最もふさわしい建 築家を決めて紹介する。
そこで、要望や条件を納得 の行くまで煮つめ、信頼関係をつくり上げて図面が 描かれ、大工・工務店・インテリアコーディネータ ー等のキャスティングを決める仕組みとなっている。
条件と個性が生かされた優しい住空間の提供、住 文化の向上をめざす新しい型のネットワークで、土 と陶の工房・美乃里はその信頼関係と個性が生き、 文化を発信できる特徴的な例となった。
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