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木の家づくり工務店ここにあり

「知恵の輪」「人の輪」を広げる家づくり

「知恵の輪」「人の輪」を広げる家づくり 自然素材でこころの通い合う家を
京都府福知山市 ㈱道下工務店
知恵の輪、人の輪を広げる空間「えころ」と通信「えころ」
残暑も厳しい8月中旬、京都府福知山市の道下工務店を訪ねた。
出迎えてくれたのは、社長の道下雅昭さん。
1階に設けられた「自然生活創造空間『えころ』」でお話を伺った。
「えころ」はスギのフローリングと内装、出節の丸柱が何本も立っている30畳ほどの部屋で、壁際には木の見本や木のおもちゃ、木で作られたアクセサリーやスプーンなどが並べられている。
「えころ」はお客さんとの打ち合わせに使われるほか、月1回「知恵の輪塾」という勉強会の場にもなっている。
「知恵の輪塾」は、当初は道下さんが一方的に建築に関する話をしていたが、「丹波地方の湿気対策」、「掃除の仕方」など話の内容が徐々に広がっていくにつれ、参加者からも色々な意見が出されるようになり、道下さんが思い描いていた「知恵の広がる場」となっている。
また、その他にも絵の展覧会や講演会が開かれたり、木削り教室や、年末にはしめ縄づくりやもちつき大会などの催しも開かれ、多くの人が集まるようになり、「人の輪」もどんどんと広がっている。
昨年4月にオープンして以来、延べ2千人ほどが訪れているとのこと。
催し物に参加した人もいれば、たまたま旅行で近くを通りがかって立ち寄った人など様々だが、住所の分かる方には「手づくり通信えころ」を届けている。
手書きの文字から温かさがにじみでているこの手づくり通信は、月1回の発行で、道下工務店で家を建てたお客さんには道下さん自身が直接届けている。

お互いが満足できる家づくりを 道下さんが木の家づくりを主体にし始めたのは7年程前からだという。
それは、商品としての建物づくりではなく、自分自身がこころから納得でき、施主にもこころから喜んでもらえて、お互いが満足できるような仕事をと考えたからだった。
それは自治体や企業などの建物のように、誰が入居するかわからない家でなく、施主の思い入れや期待が大きく、入居してからの感想も伝わりやすい個人の家をつくることであり、職人さんや業者の人にもこの仕事をしてよかったと満足してもらえるような仕組みが作れないかと考えたからだという。
「施主さん」「業者さん」そして道下工務店の「社員」の3つの輪の重なる部分が「会社」ではないか、会社とはその3つを引きつける求心力を持つもので、そのためには常に発信し続ける存在でなければならないとの考えが根っ子に生きているようだ。
道下さんが考える家の役割とは「終着駅」のようなものである。
1日を終えて戻る終着駅であり、ほっとできる安らぎの場所、そして1日の疲れが癒される場所でなければならない、いつでも温かく迎えてくれる存在であるべきだとの考えがある。
その「人のやすらぐ場」に有害な物質があって健康を害してはいけない。
そのためにはやはり自然の素材を使い、また丹波地方の気候風土を考えると「土、石、木」という素材にたどりつき、深くかかわるようになったと言う。
三つの柱での家づくり 道下さんが持つ家づくりの柱の1つ目は「自然素材を使うこと」。
内装材には主に丹波地方の杉を用いるが好みにより檜、ナラなどの天然の無垢材を使い、壁は漆喰や珪藻土を、壁紙は和紙やノンホルマリンのものを、糊などの接着剤も、床などに塗る塗料も有害物質を含まない自然素材を使っている。
このような取り組みからアレルギー体質の人、化学物質などに敏感な人と会う機会も増え、人にやさしいものは何かと考えると、それは地球にも害のない、やさしいものであるべきで、自然素材の使用を貫くようになった。
そしてそれは、「住まい」にかかわることだけでなく衣食住すべてのことに広がっていき、炭や自然派石鹸などとも出会うことになり、それらを販売するようにもなっている。
2つ目は「エアサイクル工法」。
丹波地方は年間通して平均湿度が70%と高い地域である。
湿度というのは家づくりをするにあたって大変大きな問題なのだが。
一般住宅に多い断熱構造は、外壁と内壁仕上げ材の間にグラスウールなどの断熱材を入れる方法をとることが多いが、これは壁の内部をふさぐので、湿気の逃げ道をふさいでしまい、壁の間の結露やカビ、構造材の腐れの原因となってしまう。
道下工務店が取り入れる「エアサイクル工法」では外壁と内壁の間に空気の通り道を確保しているので、空気が循環することができる。
外貼断熱をした上で空気を循環させるので断熱効果が高まり、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができる。
このシステムは、大屋根と内壁に形状記憶合金を使用した通気口を設置し、気温が23℃程度になると通気口を開閉し、湿度をコントロールしている。
冬は通気口が閉じて太陽熱で暖められた空気が内壁空洞を循環することで部屋全体を暖める。
夏は床下の換気口より冷たい空気を取り入れ、通気層と内壁空洞内に発生する上昇気流にのせて屋根に設けられた換気口より熱気や湿気を放出することで部屋全体の湿度を一定に保つことができ、夏でもあまりクーラーを使わなくても快適に過ごすことができる。
そして3つ目が「広がりの間取り」である。
それには個室化せず出来るだけ広い空間を作り、また吹き抜けなども利用して左右の風通しだけでなく上下の風通しの良さも確保するようにしている。
個室で仕切ってしまうと狭く、風も通らないので寒い(または暑い)空間となってしまい、また家族同士のふれあいも少なくなってしまう。
道下さんは「個室」は「孤室」ではないかという。
完全に個室にして隔離してしまうのではなく、必要な時に仕切ればよいと考えている。
物音などは聞こえるが、外の気配が感じられるからこそ、相手のことを気遣い、相手もその気配を感じることで、お互いを思いやる心が生まれ、家族の絆が生まれるのではないかと考えるからだ。
だから子供が外から帰ったらわかるように居間に階段を設け、子供部屋も初めから独立させるのではなく、成長に応じ個室を作れるような間取りにしている。
あるお宅では1階に勉強部屋を設け、キッチンからもその様子がうかがえるようなつくりにしたところ、大変好評だったという。
吹き抜けのある家でも、多くの場合の吹き抜けは玄関に作られているが、玄関は外気が入りやすいので逆に仕切ってしまい、居間に吹き抜けを設けることで、光を採り入れ2階との通気も出来る。
また吹き抜けを作ると空間が広く感じられるという効果もある。

お客さんと協力し対等な立場で家づくりを このように家づくりに対して、しっかりとした方向性をうち立てている道下さんは、今後もこの3本の柱を発展させながら「求められて仕事をしたい」と語る。
今後の家づくりについては、自然素材である「木・石・土」を使った家づくりが主流になるという確信を持っているが、その中でも丹波産のものを使った家づくりをすすめたいと考えている。

また「知恵の輪塾」の活動などを通して「家づくり」とはそもそも何なのか、「何のために家づくりをするのか」を問いかけ、その原点を考え、コストのことや工法などの知識を多くの方に伝えたいと考えている。
家づくりに必要な知識を多くの方に知ってもらい、家づくりの仕組みについて理解してもらった上で、家づくりに取り組んでもらいたいと強調している。
その上で道下工務店の家づくりを選んだお客さんとは心の垣根を取り払い、お客さんの要望を受け止めながら提案をし、納得した上で協力し合って家づくりをすすめる、そんな対等で、協力し合うような家づくりがしたいと、その信条を語っている。
「今はまだ種まきをしている状態だけれども、必ず返ってくると確信しています」と言う道下さん。
先日、大工さん向けにオープンハウスを企画したところ施主さんも喜んで自宅を公開して下さり、40名近くの大工さんや職人さんが集まったとのこと。
道下さんが目指す、お客さんと協力した家づくりの中で信頼関係が生まれたからこそ実現した企画で、道下さんの思いが確実にお客さんに伝わっていることが窺える。
水に落とした小石から波紋が広がるように、「えころ」から知恵の輪、人の輪がどんどん広がっている。
道下工務店が目指す家づくりも同様に、これからどんどんと大きな輪を広げていくだろうと思われた。

㈱道下工務店〒620-0046 京都府福知山市字天田小字犬丸269-1   
TEL 0773-22-2484(代)  FAX 0773-22-2559
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