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一般に木造建物の構造性能を考える場合、材料の性質だけでなく接合部の性質も考える必要があると言われます。 コンクリートの接合部が部材と一体に成形され、鉄骨も溶接するとほぼ一体とみなせるのに対して、木材はどうやっても完全に 一体にすることが出来ないからです。 そこで木構造の基本となる力と変形の関係および,接合部における破壊特性を分かりやすく解説いたします。

母材のせん断、端抜け
木材は繊維同士のつながる力が弱いため、繊維方向に強いが直交方向は弱くもろい性質(異方性)をもっています。そのため、繊維木材の繊維方向のせん断力、つまり繊維同士の結合を断ち切ろうとする力が働く場合は、脆性的な破壊を引き起こします(Fig.1-10)。このような接合は補強金物をボルトで取り付ける場合などごく一般的なので、このような破壊が生じないように端距離・縁距離が定められています。


Fig.1-10 繊維方向のせん断

長ホゾ+コミ栓接合はホゾ部分のせん断・端抜けが生じる場合と、土台が割裂してしまう場合、コミ栓が折れる場合の3パターンがあります。ですから逆に、設計する際は危険なせん断破壊・割裂破壊が生じないように形状などを決めることがポイントとなるわけです。

側材の端抜、補強金物の切断、降伏
床や壁に打ち付ける板材でも、木口に近い場所に釘等が打たれている場合、木口から十分な端距離をとっていないと、せん断による端抜けや、割裂などの脆性的な破壊が起きる場合があります。小規模の木造建物ではこれらの部材も構造上重要な役割をはたしていることがあるので、注意が必要だといえます。

補強金物を使用したときに、釘や母材の耐力が十分ある場合は、金物の側で破壊が起きる場合もあります。金属はねばり強いので、この場合はある程度靭性の高い破壊性状になります。


めりこみ
繊維に直交方向に圧縮力が作用する場合、繊維間の結合部が圧縮されながら潰れていきます。この際に繊維方向のつながりにより、直接力を受けているところより大きな範囲が抵抗します。そのため、比較的強度が高く、ねばり強い(靭性の高い)変形性状を示します。ただし、一定以上の変形になり繊維が切断されてしまうと、せん断破壊的な性状を示します。


Fig.1-12 様々な破壊性状

  

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